【ヴィクトリアM】ミッキー極上11秒8“オトナ女子”仕上げ!
2017年05月11日 05:30
競馬
見守った池江師は目を輝かせた。「先週しっかり息をつくって心肺機能を高めたので、今週は短めに。脚さばきは軽快。息もすぐに入った。いい調整ができました」
3歳時にオークスと秋華賞でG1・2勝。だが昨年は暗転。ヴィクトリアマイル2着後に球節の捻挫で宝塚記念をパスし、順調さを欠いた。だからこそ、豪快に突き抜けた前走・阪神牝馬Sで約1年半ぶりの白星を心底喜んだ。指揮官は「感動しました。いろいろなことがあった馬なので…。捻挫はかなり重篤で引退も考えたほど。牧場スタッフのお陰。勝負根性が凄い」と昨秋エリザベス女王杯(3着)後も常に全力で走る愛馬を称えた。
阪神牝馬S2着後に放牧を挟んだ昨年と違い、栗東在厩で参戦。「昨年は精神的に不安定だったのでリフレッシュしたが、今はその必要がない。大人になった」と同師。カイバが実になり、メンタルが成長したことでゲートの駐立も安定した。完成域に入った。
もう一度、G1の表彰台へ。全13戦中、12戦で騎乗する浜中も思いは同じ。昨年は自らの落馬負傷で復帰週がヴィクトリアマイルだった。レースレコードで制したストレイトガールに必死に2着で続いた。最終追いを厩舎スタッフに委ねた浜中は「昨年はケガ明けの自分が重荷になった面もあった。彼女には助けてもらって…。思い入れの強い馬。信頼して、自信を持って乗りたい」と再会を心待ちにしている。
指揮官も意気込んだ。「ミッキーも(捻挫で)苦しい思いをした。浜中君もケガで大変だったと思う。レース後、2人が笑顔で終われることを祈っています。おそらく1番人気に推してもらえるでしょう。牝馬No・1を証明したい」。ただ一頭のG1・2勝馬。引退危機を乗り越え、強さを増したミッキーの前に敵はいない。
▽阪神牝馬S最終追いVTR 1週前に長めからしっかり負荷をかけ、レース当週は4Fから切れ強化に努める池江流。ミッキー自身も3歳秋のローズS以降は優勝した秋華賞を含め、同じパターンの仕上げ。阪神牝馬Sは4Fからは馬なりでラスト1F12秒0に対し、この日は同じ4Fから最後仕掛けて1F11秒8。雨で水分を含んだ馬場を考慮すると、前走より一段上の強度。万全の仕上げといえる。