【馬券顛末記・菊花賞】◎ポポカテ奮闘も虚しく…
2017年10月22日 17:07
競馬
京阪・京橋駅から特急に乗り込む。窓を叩き付ける雨。線路沿いの家屋も200メートル先は靄(もや)の中だ。競馬場に到着すると詰め掛けたファンも不安げな表情。雨は午後から勢いを増し、午後には風まで強くなってきた。
それでも内心、胸を躍らせていた。◎を打ったポポカテペトルが必ず“勝ち負け”する自信があったからだ。
ゲートが開く。先行するウインガナドルを大外のマイスタイルが果敢に交わし出た時点で波乱を予感させた。ポポカテペトルは大量に水分を含んだ馬場を苦にすることもなく巧みなコース取りで最後の直線まで力を温存させる。
最後の4コーナーで先頭に躍り出たダンビュライト。そこへ中団から押し上げたクリンチャーが並び掛ける。その攻防を見ながら、和田は巧みに内へリードする。
が、やはりキセキは強かった。デムーロは外からネジ伏せるように末脚を伸ばし不安説など蹴散らしてしまった。
ポポカテも頑張った。ゴールまで懸命に末脚を伸ばすがクリンチャーを交わしきれず3着。13番人気の低評価を思えば大健闘なのだが、あまりにも悔しすぎた。
神戸新聞杯で2着だったキセキを軽視し、これを“斬り捨てる”ことからスタートした菊花賞の穴馬探し。結果的に1番人気を無印にしたのが、いささか大胆過ぎた。
印は…△◎の順で3連複が13万6350円。惜しいと言えば惜しいが、勝ち馬が無印では話にならない。取り逃がした魚は大きかった。
雨中の取材で塗れた体はどうやら家に戻るまで乾きそうにない。今夜は熱燗で体を温めたいが、どう頑張っても“苦い”酒になりそうだ。(大阪・競馬担当オサム)