【高松宮記念】コウセイ連覇へ“再現VTR”迫力5F65秒6
2018年03月22日 05:30
競馬
双眼鏡を手に動向を追った上原師の表情が緩む。「当該週はある程度強くやった方がいい馬。いつも通り、最後の直線は目いっぱいにやった。馬に今週が競馬だよ!!と、分かってもらえるようにね」
思えば1年前は春の日差しに見守られ、同じWコースで5F65秒0(不良)の猛時計を叩き出した。昨秋11、14、7着と成績は一時低迷したが、動きは迫力を増す一方。前走シルクロードSは積極的に逃げ、昨年と同じ2着粘走。「思い切ったレースをしてくれたことで本番につながる。5歳になったけど、もまれたり、馬群に入ると気分を損ねてしまうところがある。現時点では思い切った競馬が合っている」と復調と戦略を再確認した指揮官は、間に阪急杯やオーシャンSを挟まず、昨年と同じ直行ローテを選んだ。1週前追いは主戦・松田を呼び寄せ、盤石の態勢を敷いた。
昨年の高松宮記念を最後に白星はないが、以前の後肢の緩さは改善。分厚い筋肉をまとった厚みのある体は超一流スプリンター。「体がどっしりした」(同師)と特に肉体面の成長に目を細める。
勢力変動が少ない短距離界。4番手から豪快に突き抜けて昨年撃破したレッツゴードンキ(2着)やレッドファルクス(3着)が今年も有力候補。昨年の走りが再現できれば、史上2頭目の連覇は夢ではない。「一時期ふがいないレースが続いたが、昨年と同じ結果になるようにスタッフ一同頑張ってきた。連覇を狙えるのはうちの馬だけ。松田ジョッキーはコウセイのことは分かってくれているので」。指揮官は22年目でG1初制覇が懸かる鞍上に託した。今年も春が来るのを祈って。