【京都金杯】マテンロウオリオン 飛躍の23年へ!進化へ調整工夫、陣営「体に張りが出て重厚感がある」
2022年12月30日 05:30
競馬
22年は年明けのシンザン記念で重賞初Vを飾り、続くニュージーランドT、NHKマイルCで連続2着と世代トップクラスの走りを見せた。ただ、担当の榎本助手いわく「まだ能力だけで走っていました」。あと一歩届かなかったタイトルをつかむため、潜在能力をフルに引き出すため、秋2戦を経て主戦の横山典とも意見を交換し、調教の取り組みを変えた。同助手は「体の使い方を良くしてポテンシャルを素直に出せるようにしたい。ピッチ寄りの走りを、より素直に伸びやかにする感じで」と説明。そのために坂路での調教量を増やし、意識も変えたという。「伸びやかに走ろうとすると、その分後ろにも負荷がかかります。だから今のパワーだと頼りないのでトモにも力強さが必要。普段から後ろを気にして乗ったり」と続けた。
この中間は騎手がまたがらず、調教役は昆助手に固定。榎本助手は「自分は乗らないなかで、信頼関係をより築こうと。春よりはだいぶマシですが競馬場に行くとテンションが上がるので。いい精神状態で出せるように」と自身の役割を自覚し、最善を尽くしている。
この取り組みは京都金杯だけを意識してのものではない。馬の成長段階と課題を見極め、調教過程の中間にレースがある。すなわち点ではなく線。まだまだ完成期は先だが、階段をひとつずつ着実に上っている。28日にはCWコースでマテンロウレオと併せ、6F85秒3~1F11秒8を刻んだ。榎本助手は「体に張りが出て重厚感があります。触っていても落ち着きがあります」と上昇気配を感じている。新年最初のレースでどのような走りを見せるのか。これまでの調教やレースで学んだことを糧にして、飛躍の道を進んでいく。