【東京大賞典】ウシュバテソーロ新王者!5歳ダート転向で突如覚醒、重賞初挑戦で一気に頂点

2022年12月30日 05:00

競馬

【東京大賞典】ウシュバテソーロ新王者!5歳ダート転向で突如覚醒、重賞初挑戦で一気に頂点
ウシュバテソーロでレースを制し、ガッツポーズを見せる横山和(撮影・河野光希) Photo By スポニチ
 22年のダート競馬の総決算「第68回東京大賞典」が29日、大井競馬場で行われた。中団を進んだ2番人気ウシュバテソーロが外から鋭く伸び、重賞初挑戦でG1初制覇の快挙。タイトルホルダーで今春G12勝と飛ばした鞍上・横山和生(29)が最後も締めた。管理する高木登師(57)は15年サウンドトゥルー以来、2度目の東京大賞典V。5歳でダート転向後、突如開花した“砂の遅咲き”が来年も砂路線を席巻しそうだ。
 鮮やかな主役交代劇だった。初の大井も初の重賞の壁も勢いに乗るウシュバテソーロには関係なかった。中団を進み、先に動いたメイショウハリオを追うように直線は外へ。柔らかな夕日の中から飛び出した脚は次元が違っていた。残り100メートルすぎに早々と先頭に立ち、勝負あった。

 5歳秋。通算27戦目のG1初挑戦で初制覇の快挙。左手を高々と掲げた横山和は「毎回しまいはしっかり脚を使ってくれる。ウシュバテソーロにG1を獲らせてあげられて良かった」と目を輝かせた。前半5F63秒5~後半同61秒5の極限のスロー。いつもより前の中団後ろを取り、行きたくなるのを我慢。鞍上は「大井の特徴も踏まえ、ある程度は位置を取ろうと思っていました。ペースが遅くてしんどくなりそうだったけど、3コーナーで動きがあって、人間も馬も冷静になれた。最後は疲れた感じがあっても、しっかり走り抜いてくれたのは成長ですね」と愛馬を称えた。

 高木師は15年サウンドトゥルー以来、2度目の東京大賞典V。似たような追い込み脚質。よく似た黄色と緑の勝負服。指揮官は「もう7年前なんですね」と感慨深げだ。24日の中山大障害でニシノデイジーがJ・G1初Vを飾ったばかり。「いいプレゼントをもらっています」と管理馬の年末の大活躍に頬が緩んだ。

 ダートは5戦4勝。5歳にして、突然の砂路線転向はずっと温めていたという。「性格もお父さん(オルフェーヴル)譲り。力があるのでダートの広いコースは必ず合う」。砂転向初戦の今年4月横浜S(1着=東京ダート2100メートル)で“一発回答”したことが才能開花の転機となった。

 今年前半、タイトルホルダーでG1・2勝(天皇賞・春、宝塚記念)と突っ走った横山和が、最後も華麗に決めた。地方の交流ダートG1制覇は初めて。横山和は「思うこともいろいろありますが、最後にダートのG1を勝たせてもらってうれしい。来年の競馬も盛り上げられるように頑張っていくのでよろしくお願いします」と大井のファンの前で誓った。ダートでは底を見せない遅咲きの砂の新星。指揮官は「ずっと使ってきたのでこの後は少し様子を見ます。暑い時季がちょっと苦手なので、いろいろ考えてですね」とさらなる飛躍が待っている23年を見据えた。

 《砂転向オルフェーヴル産駒、活躍例はマルシュロレーヌ》オルフェーヴル産駒で、ダート転向での活躍例といえばマルシュロレーヌだ。デビュー13戦目でダート初挑戦となった4歳夏の桜島S(小倉)を勝ち、交流ダート重賞4勝。5歳秋に挑んだブリーダーズCディスタフで優勝。日本調教馬による初の海外ダートG1制覇の偉業を果たした。同産駒の5歳牝馬ギルデッドミラーは今夏ダート路線に切り替えて3戦2勝、2着1回。11月武蔵野Sで念願の重賞初Vを飾った。来年6歳のウシュバテソーロもまだまだ強くなる可能性は十分だ。

 ◆ウシュバテソーロ 父オルフェーヴル 母ミルフィアタッチ(母の父キングカメハメハ) 牡5歳 美浦・高木登厩舎 馬主・了徳寺健二ホールディングス 生産者・北海道新ひだか町の千代田牧場 戦績27戦7勝(南関東1戦1勝、重賞初勝利) 総獲得賞金2億1988万4000円 馬名の由来は、コーカサス山脈にある標高4710メートルの山+冠名。

おすすめテーマ

2022年12月30日のニュース

特集

ギャンブルのランキング

【楽天】オススメアイテム