【六車奈々のナナイロ馬券】 私ごとで恐縮だが、50歳になった。人生の半分以上は競馬をしていることに驚きながらも、元気に半世紀を迎えられたことに感謝している。私が競馬を始めた頃、岡部幸雄元騎手が50歳近いご年齢でご活躍されていることを知り、驚いた。大学を卒業したばかりの私にとって、父親世代の人がスポーツ選手として現役だなんて衝撃だった。
しかし時代は流れ、今や50歳を超えて活躍している競馬の騎手は増えている。一つは、体内年齢の底上げ。栄養学や運動学、ケガの治療法などの進歩だろう。だが、それだけではない。競馬は「馬とのコミュニケーション」や「レース経験値」など、熟練の技による部分も大きいと思う。ゴール前、無我夢中で必死になっている若手騎手が、ベテラン騎手の巧みな戦術で勝利を阻まれるシーンは、双方に対して思いが込み上げ、胸が熱くなるものだ。
人生には、それぞれステージがある。がむしゃらに突き進む20代、少し技を覚えて自分なりに応用を利かせる30代、経験値も増え脂が乗った40代、体力の衰えを熟練の技でカバーする50代。私もここからの10年を、悔いなきように大切に過ごしたいと思う。
寒菊賞は、まだ幼い2歳戦だけに、熟練の技を持つベテラン・村上忍騎手から勝負!3連単で(2)―(8)―(1)(4)(5)(6)。各300円で計1200円。
◇六車 奈々(ろくしゃ・なな)1973年(昭48)12月2日生まれ、京都府出身の50歳。