【競輪記者コラム】尾崎睦 弱い自分を受け入れ進化
2024年04月12日 13:11
競輪
では、どうやって強くなるのか。「このままでは頭打ちになる」。尾崎は考えて、視野を広げた。体だけではない、頭を使うのもプロ選手。違う練習グループに参加し、気になることがあれば年齢、性別を問わず聞いた。「違う環境でやらせてもらうことで、自分の足りないところが見えた。自分が自転車に乗っている時間も増えた。気づけて良かった」としみじみ話す。
“こうだ”という積み上げてきたものをぶっ壊す。誰においても怖いこと。ましてやプロスポーツ選手にとって、それは大きな賭けになる。ただ、強くなるためにプライドなど、守るものはなかった。「弱い自分を受け入れられた」。この一言に上で戦うための強い覚悟が凝縮されていた。
3月25日、25年度のビッグレース開催場が決まった。グランプリは平塚に決定。「また大きな目標ができましたね。地元のGPは特別」と尾崎はさらに燃える。まずはG1。26日から始まる久留米オールガールズクラシック。充実の尾崎睦が大暴れするに違いない。
◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の28歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。