現役時代のかなわなかった夢

2008年01月09日 06:00

五輪

現役時代のかなわなかった夢
宗家花火鍵屋の15代目で、日ごろは花火職人として仕事をこなす天野安喜子さん。国際柔道連盟審判員として北京五輪に派遣されインタビューを受ける。
 小柄な体のどこにパワーが詰まっているのか。天野さんの活躍を知ったら、誰もがそう思うに違いない。鍵屋の15代目当主として花火大会の総合演出に力を注ぐ一方、柔道の審判員でも五輪という世界最高峰の舞台に上り詰めた。7歳の一人娘の育児や実家の柔道場での指導にも追われ、毎日の睡眠時間は4時間。普通の人なら音を上げそうな日々も、天野さんにはこの上なく充実した日々だ。「花火も柔道の審判もやりがいがあって、忙しくても大変だと思ったことはないんです」
 鍵屋の14代目当主・修氏の二女。花火師一家に育った少女は、国内トップクラスの柔道選手でもあった。高1だった86年に、当時無敵の山口香(公開競技として行われた88年ソウル五輪銅メダリスト)に背負い投げで一本勝ち。直後の福岡国際でも銅メダルを獲得した。だが、2年後に迫ったソウル五輪のホープとして注目されるようになってから伸び悩んだ。「何をやるべきかは分かっていたけど、楽な道へと逃げてしまった」。五輪代表からは落選し、苦い思いを味わった。

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