「これが最後の大舞台かな」

2008年06月10日 06:00

五輪

「これが最後の大舞台かな」
全日本柔道選手権準決勝で敗退した井上康生
 ――井上 全日本選手権の前に選抜体重別で優勝したんですが、そのあと腰に痛みが出て稽古ができない状態でした。出るからには優勝を目指して、それが北京につながればいい、という思いはあった。でも、どこかで「これが最後の大舞台かな」という思いもありました。だから、本当の意味で開き直って試合に臨めたのは、あの全日本だけでした。
 朝のウオーミングアップ中の試合場で、生まれて初めて大の字になりました。躊躇(ちゅうちょ)しましたが、全日本こそ僕の原点であり、全身で畳の感触を感じて、会場の景色も覚えさせて、すべてを取り込んで、試合に臨みたかったんです。最後の試合、高井(洋平)選手に内股を透かされたんですが、ほかにもいろんな技を出している。そして、最後に内股。たとえ相手が待ち構えていても、残り時間(15秒余り)を見た瞬間に「いこう」と思いました。技を出さなかったら判定がどうなったか分からない、という人もいましたが、それは違う。すべてを出し切った。だから、悔いが残らなかったんです。

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