「みんなの夢のために立ち上がった。康生らしい」

2008年06月10日 06:00

五輪

「みんなの夢のために立ち上がった。康生らしい」
全日本実業柔道団体対抗大会で優勝を飾り、亜希夫人(中央右)ら親族とともに記念撮影する井上康生
 井上が最も信頼する指導者の1人で東海大相模高時代の恩師でもある林田和孝現同高総監督(56)は「最後まで柔道家として“優等生”で終わったわけじゃないから、指導者として経験が生きてくると思う」とエールを送った。
 高校時代の井上は「組み手を指導しただけで、ほとんど教えることがなかった」と振り返る。井上を怒ったのは、たった1度。96年9月に修学旅行で訪れた札幌市内のホテル。ロビーで“即席サイン会”を開いていたときという。高校生として21年ぶりに全日本選手権に出場しており、井上はすでに有名人。「結果を出してないのに、何やってるんだ」と怒鳴ったことは、今では笑い話だ。
 今も同総監督が悔やむのは、右大胸筋断裂のケガ。「右の釣り手は、康生の最大の武器だった。それがなくなって、内股の前に相手に見せる“まき餌”(の技)が出せなくなったのは致命的」と言う。「本人もそれを分かっていただろうし、何度もあきらめかけたと思うけど、みんなの夢のために立ち上がった。それが康生らしいところだね」としみじみと語った。

おすすめテーマ

2008年06月10日のニュース

特集

【楽天】オススメアイテム