天井を見ながら「終わったなあ」

2008年06月10日 06:00

五輪

天井を見ながら「終わったなあ」
引退試合となた全日本実業柔道団体対抗大会で優勝を飾った井上康生
 ――井上 抑え込まれたときは一瞬「返さなきゃ」と思いましたけど、もう返す力が残っていないことも分かっていました。だから(抑え込まれて)天井を見ながら「終わったなあ」としか思わなかったですね。すべてが終わったあと、佐藤(宣践=東海大柔道部師範)先生に「康生の死に場所だったんだなあ」と言われました。
  試合後、井上は付き人を通じて父・明さんを控室に呼び、立ち上がったまま「すべてを出し切りました」と頭を下げた。明さんは「これでようやく、柔道から康生を解放してやれると思った」と言う。
 ――井上 昨年から結果を残せなかった理由については、自分の中で答えは出ています。右肩のケガのこともありましたが、ケガが最大の原因ではないと思っています。父に“もっとわがままになれ”とも言われました。僕はすべてを捨てて、北京に懸けました。でも、勝負に徹して、自分本来の攻撃柔道を捨てることはできなかった。素の井上康生が多く出た結果だったと思っています。

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