なでしこL再開!宮間 5000人サポに魅せた“満員御礼弾”
2015年07月13日 05:30
サッカー
代表キャプテンが幸先のいいリスタートだ。1点を追う後半39分、相手ペナルティーエリア外でボールを奪った宮間はそのまま左足を振り抜く。GK海堀の手をかすめ、左ポストを叩いたボールはゴールに吸い込まれる鮮やかな同点弾となった。
前節まで首位のINACを相手に見せ場をつくっての引き分け。W杯から帰国した翌日にチーム練習に合流し、この日も炎天下にボランチでフル回転したエースは「チーム状況もあるし一日も早くサッカーがしたかった。引き分けて残念だけど次につながる部分はあった」と振り返った。
カナダW杯で準優勝し帰国すると、「女子サッカーを文化にしたい」と各地で口にしてきた。「言葉が独り歩きしている」と影響力の強さに苦笑いを見せながらも、効果は確実にあった。この日、収容5000人の美作サッカー場に駆けつけたファンは4998人で最多を更新。W杯で優勝した11年シーズンに記録した観客数を塗り替えた事実が、湯郷でのサッカー人気定着を物語る。サポーターへの感謝の気持ちがゴールにつながった。
この熱気を維持し、全国に波及させるためにも、自身のさらなる活躍は欠かせない。所属クラブでの活動はもちろんのこと、日の丸を背負った雄姿を見せることも重要だ。8月には東アジア杯があり、10日に発表された予備登録メンバー50人の中にも名を連ねた。ベテランはW杯の疲労を考慮されて招集を見送られる可能性も高いが、来年にはリオ五輪予選、そして本大会も待っている。
「今はリーグに集中したい」とした代表主将だが、その存在がいまだに必要なことはこの日の試合で証明した。再びの世界一、そして、女子サッカーを文化に。多くの使命を背負う宮間の戦いが再び始まった。