令和初勝利の森保J 久保にくぎ付け!待ってました年少2番目A代表デビュー
2019年06月10日 05:30
サッカー
あいさつ代わりのプレーは同28分だ。スペースに飛び出しパスを要求。受けると、DF2人を華麗にかわして強烈なA代表初シュートを放つ。「キックは下ではなく上を狙っていた。巻こうと思っていたがボールが浮かなかった。そこまでは狙い通りだった」。GKに防がれたが、会場を熱狂の渦にいざなった。
3バックから基本の4バックに戻った布陣でトップ下に収まった。最前線にはFW大迫、左に中島、右に堂安。森保ジャパンの主力に囲まれ堂々と振る舞った。「トップ下はやりやすいし、問題はなかった。みんなが気遣って気持ちよくプレーさせてくれた」。その後もワンタッチパスでチャンスをつくり、ゴール前に果敢に飛び出すなど輝いた。
ボールを運びながら常に視線は上を向き、最善の策を選択。18歳のあどけなさの残る顔とは裏腹にプレーには貫禄すら漂う。久保は今季、J1で首位を走るFC東京で主軸に成長した。見逃せないのはフィジカル面の成熟だ。小学5年時から体づくりの指導をしているプロトレーナーの木場克己氏は「体幹の強さはトップクラス」と明かす。「ドリブル時に頭がブレないので、急加速、急停止、急旋回してもバランスを崩さずに正確にボールを扱える。シュートの足の振りが速くなり、ミート力やパワーもアップした」。今季も時間が空けば個人トレーニングに通い、幼少期に口にした「メッシみたいになりたい」という言葉を有言実行する。
そんな18歳には夏の移籍市場で古巣バルセロナの永遠のライバルとなるRマドリードが破格の条件を提示。場外戦で“クラシコ”が勃発した。パリSGも獲得に動いている。
14日からは強豪が集う南米選手権に臨む。「今日はチャンスがあって決め切れなかったので、南米選手権ではしっかりゴールを取りたい」。世界に特大の衝撃を与える準備は整った。
◆久保 建英(くぼ・たけふさ)2001年(平13)6月4日生まれ、川崎市出身の18歳。11年9月にバルセロナの下部組織入り。15年5月からFC東京U―15でプレー。同U―18所属時の16年11月5日のJ3長野戦で、15歳5カ月1日でのJリーグ史上最年少出場を果たす。1メートル73、67キロ。利き足は左。