ベルギーでV字復活!森岡亮太、29試合スタメンで6得点5アシスト「代表に復帰し22年W杯目指す」
2020年05月25日 05:30
サッカー
「メヘレンとの1戦ですね」。19年11月3日、当時4位と好調だったチームとの対戦だった。前半途中でボランチ選手が負傷交代。「代わりのボランチが投入されるのではなく、チームはFWを選択して僕が一列下がりました。その時のパフォーマンスが良かったのか、次の試合(11月9日・オイペン戦)から6番(守備的MF)のポジションに落ち着いた」。その試合までは慣れ親しんだトップ下。「8番(セントラルMF)まではやったことありますけど…」と自らも驚きを隠さないが、それは新たな才能の目覚めだった。
ベルギー紙『Sporza』によると、シーズンのボール奪取回数は259回。これはリーグトップの数字だった。「プロになってから、ずっと周りからは“守備ができない”“走れない”と言われていて、自分の中でもそんなイメージがつくられていた。でも実際やってみると“イケるやん!”って」。それはアンデルレヒトでの苦しい経験の産物だった。
「アンデルレヒトは特殊な戦術を採用していた。どの選手がどう動くのか決められていた。攻撃から守備に切り替わった時に、僕がいなくてはいけないポジションがあるんです。攻撃の時は得点を取りにいきつつ、ボールを失うことも想定してポジション取りをしないといけない。事前に考えてプレーしないと間に合わないので、先を読む習慣はできた」
ボランチに定着した後はリーグ16試合9勝2敗5引き分け。守備をしつつ高い技術でゲームメークも担い、チームに安定感をもたらした。そしてアントワープなど再び他クラブから熱視線を浴びる存在に。だが29歳を迎えた森岡の目標は、欧州に挑戦した16年から何も変わっていない。
「年齢的なものを考える時もあるけど、チャレンジは続けていく。まず来年、欧州リーグ出場権を獲得できれば上位に食い込みたい。そして欧州に移籍したのはスペインでプレーしたいから。そこはブレていない。日本代表にも復帰して22年カタールW杯を目指しています」。気になるJリーグ復帰については「将来的にはないこともないですよ」ともいう。
「ワクチンを開発することはできない。治療もできない。できることはプレーで元気づけることだけ。自分にできることをして、社会に貢献、還元していければいいですね」
ウィズコロナ、アフターコロナが待つ時代。華麗なるファンタジスタからいぶし銀のレジスタへ変貌した男は、ピッチ上で多くの人に喜びや希望をともす。