女子欧州CL制覇のリヨン・熊谷 佐々木則夫氏が語る凄さ、珍しい左足弾 技術が確実に上がった証拠

2020年08月31日 22:10

サッカー

女子欧州CL制覇のリヨン・熊谷 佐々木則夫氏が語る凄さ、珍しい左足弾 技術が確実に上がった証拠
サッカー女子の欧州CLで優勝し、トロフィーを手に笑顔のリヨン・熊谷(AP) Photo By AP
 サッカー女子の欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝戦が30日、スペインのサンセバスチャンで行われ、日本代表主将のDF熊谷紗希(29)が所属するリヨン(フランス)がウォルフスブルク(ドイツ)に3―1で勝利し、史上初の5連覇を達成した。フル出場の熊谷は前半終了間際に左足でミドルシュートを決め、男女を通じてアジア人としてCL決勝で初得点。日本代表に抜てきした前なでしこジャパン監督で、スポニチ本紙評論家の佐々木則夫氏(62)がその凄さを語った。
 ゴールが熊谷の成長を象徴していたと思う。前線の選手が戻したボールを左足で決めたが、角度が良く、伸びのあるシュートだった。熊谷が左足でシュートするのは珍しい。技術が確実に上がった証拠だろう。

 私がなでしこジャパンのコーチ兼U―18監督をしていた時に、高校2年生だった彼女をA代表の練習に加えてもらった。技術的には他にも上手な選手はいたが、ものおじせずにプレーしていたし、先輩にも「こうしてほしい」と要求していた。当時から、将来はなでしこの軸になると感じていた。

 キックの種類は少なかったが、フィード時に「中から外に逃げるボールは相手が取りにくい」と教えると、すぐに身につけていた。順応力、向上心もあった。11年W杯ドイツ大会で優勝したとき、決勝(米国戦)のPK戦の最終キッカーにちゅうちょなく指名したのは、メンタルの強さを認めていたから。男子の代表で言えば長谷部のような存在だ。

 高校の時からバスの中で宿泊して遠征するなど、厳しい環境の中でサッカーを続けてきて経験もある。だからこそ今でも努力を怠らないし、世界中からいい選手が集まるリヨンで中心選手としてプレーできていると思う。来年はバロンドールのチャンスも十分にあると思っている。(前なでしこジャパン監督)

 【女子欧州CLとは】
 ☆発足 01~02年から欧州女子カップとして開催され、09~10年から現大会名。女子クラブチームの国際大会としては世界最古。
 ☆出場資格 各国のリーグランキングで出場枠(各リーグ最大2)を決める。出場チームは最大67で、今季は62。
 ☆大会方式 今季出場62チームのうち40チームが1次リーグで10組に分かれ、各組1位が通過。決勝トーナメントから登場の22チームを加えた32チームで優勝を争う。
 ☆優勝回数 リヨン(フランス)の7回が最多。初代王者のフランクフルトが4回。ウメオ(スウェーデン)、ポツダム(ドイツ)、ウォルフスブルク(同)が各2回で続く。
 ☆優勝賞金 25万ユーロ(約3150万円)。男子の1900万ユーロ(約24億円)と比べると76分の1。

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