控えGKがいかに重要か あらためて認識させられた
2022年04月06日 09:25
サッカー
GKは他のフィールドプレーヤーと違ってただひとり手を使ってプレーができる特別なポジションで、1人しか出られない。経験が必要で、一流になるまでには時間もかかる。だが、正GK以外は中々試合に出場することができず、控えGKの試合勘を保つことは難しい。しかし、正GKが故障や出場停止の場合は2番手GKの出番だが、いきなり正GKと遜色ないプレーをすることが求められる。経験豊富なベテランがいれば安心だが、同時に若いGKをどうやって育てるか、どうやって試合経験を積ませるかは悩みどころ。カップ戦で控えGKを起用したり、若いGKをカテゴリーが下のリーグのチームへ期限付き移籍させるなど工夫している。
余談だが、元々1960年代中頃までは、「サッカーは11人でやるもの」だった。選手交代はなく、GKが故障したらフィールドプレーヤーがゴールを守った。交代枠ができた後も、1990年代中頃までは2人までしか代えられず、枠を使い切った後はやはりフィールドプレーヤーがGKを務めた。当時はいざというときのために、フィールドプレーヤーの中から控えGKを決めていた。ブラジル代表でいざというときの第2GKがペレだったことは知られている。メキシコ五輪の日本チームも、交代枠を使い切った後にGKが故障した時に備えて宮本征勝さんがGKの練習をしていたという。正GKの横山謙三さんは「僕よりよっぽどうまかった」と言っていた。しかも交代枠を使い切った後にGKが手をケガした場合は、数的不利になることを避けるために、宮本さんがGK、横山さんはFWに入ることが決まっていて、横山さんは日本代表の合宿で、全体練習終了後にウイングの練習をしていたという。
オフト監督時代の92年アジアカップの時、当時の日本代表は22人で、正GK松永が出場停止となった決勝戦のサウジアラビア戦では、GK前川が先発し、ベンチに控えGKはいなかった。オフト監督は「いざというときはFW中山」と決めていたという。
GKがいなければサッカーの試合はできないし、いいGKがいなければいい成績は残せない。大宮はGKの獲得に動いているというが、GKを育てる難しさ、チーム編成の難しさを思い出させてくれた。