中村俊輔、完全燃焼の放物線描いた 現役ラストマッチでも黄金の左足 2万1508人沸かせ「やりきった」
2022年10月24日 04:30
サッカー
44歳3カ月29日の先発は、尊敬するカズに次ぐJ2歴代2位となる年長記録。6月に再びメスを入れた右足首は限界を超え、この日も鎮痛剤を飲んでプレーしたが、世界を震かんさせた黄金の左足はさびつくことはなかった。前半10分には正確無比な左足でサイドチェンジすると、会場からどよめきが起きた。同23分には左FKで小川の頭にドンピシャで合わせた。ゴールにはつながらなかったが、最後まで俊輔は俊輔だった。
栄光と挫折――。まさにドラマのような26年だった。奈落の底に何度も突き落とされても、努力を重ね再び頂点へと返り咲き、その姿に誰もが魅了された。誰よりも練習し、そして誰よりもサッカーを愛した。まさに「観客を呼べる数少ない選手」(四方田監督)だった。
「ビッグクラブとW杯で活躍するという、その2つはかなえられなかったかな。でも目標を立てて、その過程が大事だからね。だから、よくもがいたんじゃない?指導者になっても一緒です」とちゃめっ気たっぷりに振り返った俊輔。惜しまれながらもスパイクを脱いだ希代のファンタジスタは、今度は新たなステージで輝きを放つ。