中村俊輔、完全燃焼の放物線描いた 現役ラストマッチでも黄金の左足 2万1508人沸かせ「やりきった」

2022年10月24日 04:30

サッカー

中村俊輔、完全燃焼の放物線描いた 現役ラストマッチでも黄金の左足 2万1508人沸かせ「やりきった」
<J2 熊本・横浜FC>試合後、サポーターの前で胴上げされる横浜FC・中村(撮影・西海健太郎)2022年10月23日撮影 Photo By スポニチ
 【明治安田生命J2最終節   横浜FC4-3熊本 ( 2022年10月23日    えがおS )】 今季限りで現役を引退するJ2横浜FCの元日本代表MF中村俊輔(44)が23日、今季最終戦のアウェー熊本戦(えがおS)で現役ラストゲームに臨んだ。約1年半ぶりに先発し、後半15分まで60分間プレー。得意の左足FKで見せ場をつくるなど大観衆を沸かせた。チームも2点のビハインドから劇的な逆転勝利を飾り、天才レフティーのプロ26年の最後に花を添えた。また山形が徳島に3―0で快勝して、6位に浮上。30日からのJ1参入プレーオフ進出を決めた。
 後半15分、電光掲示板に交代を告げる「25」が照らされると、2万1508人の大観衆から大きな拍手が送られた。そしてチームメートが駆け寄り、次々に抱擁。試合後には胴上げされ3度、宙を舞った。J1時代の昨年4月以来、約1年半ぶりの先発で、キャプテンマークを巻いて60分間プレー。「やりきった」。俊輔の表情には一点の曇りもなかった。

 44歳3カ月29日の先発は、尊敬するカズに次ぐJ2歴代2位となる年長記録。6月に再びメスを入れた右足首は限界を超え、この日も鎮痛剤を飲んでプレーしたが、世界を震かんさせた黄金の左足はさびつくことはなかった。前半10分には正確無比な左足でサイドチェンジすると、会場からどよめきが起きた。同23分には左FKで小川の頭にドンピシャで合わせた。ゴールにはつながらなかったが、最後まで俊輔は俊輔だった。

 栄光と挫折――。まさにドラマのような26年だった。奈落の底に何度も突き落とされても、努力を重ね再び頂点へと返り咲き、その姿に誰もが魅了された。誰よりも練習し、そして誰よりもサッカーを愛した。まさに「観客を呼べる数少ない選手」(四方田監督)だった。

 「ビッグクラブとW杯で活躍するという、その2つはかなえられなかったかな。でも目標を立てて、その過程が大事だからね。だから、よくもがいたんじゃない?指導者になっても一緒です」とちゃめっ気たっぷりに振り返った俊輔。惜しまれながらもスパイクを脱いだ希代のファンタジスタは、今度は新たなステージで輝きを放つ。

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