神戸・イニエスタが涙の退団会見 プレーしたいが出場激減「ここを去るのがベスト」最終戦は7月1日札幌戦
2023年05月25日 12:24
サッカー
神戸・三木谷浩史会長とともに、黒いTシャツ姿で登壇したイニエスタ。「ずっとここで引退する姿を想像してきた。だが時に物事は希望どおりにいかないもの。まだまだプレーを続けたい思いはあります。数カ月間も激しいトレーニングを重ね、チームに貢献するための準備はできている感覚でやってきた。しかしそれぞれの歩む道が分かれ始め、監督の優先順位も違うところにあると感じ始めました。それが自分に与えられた現実であり、リスペクトをもって現実を受け入れた」と説明。「最終的には競技面での現実と、プレーし続けることへの現実を掛け合わせた結果、ここを去るのがベストの決断だと、クラブとの話し合いの中で決めた」と語った。
イニエスタは5年連続で主将を務めているが、強度の高いプレーと運動量を求める戦術を採用した今季は出場機会が激減。首位を走るリーグ戦ではベンチスタートで3試合、計38分間の出場にとどまっていた。
神戸退団については「簡単な決断ではなく、プロ人生の中でもっとも難しい決断のひとつだった」と強調。「これは永遠の別れではない。クラブとの関係は続く。今後は違った角度からサポートしていければ」と語った。「プレーを続けたいという私の決断を理解、リスペクトしてくださった」と三木谷氏に感謝した。
「5年前、FCバルセロナをやめて、家族とともにわが家から遠く離れた地で新たな冒険を始めるという人生の中で最も重要な決断の一つをした。スペインの外での初めての生活。思い返すと大きな喜びと誇りが湧き上がる最高の決断だった」と振り返った。
また、「多くの仲間に囲まれながら、人としてもプロとしても大きく成長できた。この国の文化も体感できた。家族を温かく歓迎してくれたこの国に特別な感情を抱いている」と日本への愛着も明かし、チームでは「5年間、良い時も、苦しい時もあった。目標として掲げたタイトル獲得、ACL2度出場、さまざまな歴史を刻んだ。だが同時に昨季のように苦しい時期もあった。そういった経験がチーム、仲間を強くしてくれたとも思っている」と語った。
神戸は6月6日、国立競技場でイニエスタの古巣バルセロナとの親善試合を行う。
◇アンドレス・イニエスタ 1984年5月11日生まれ、スペイン・フエンテアルビージャ出身の38歳。12歳でバルセロナの育成組織入りし、02年にトップチームデビュー。バルセロナで獲得したタイトルは32個。18年神戸に加入、19年度の天皇杯を制しクラブ初タイトルに貢献した。スペイン1部リーグ通算442試合35得点。J1通算113試合21得点。スペイン代表は06年に初出場、国際Aマッチ131試合出場21得点。08年、12年欧州選手権、10年W杯で優勝。1メートル71、68キロ。利き足は右。
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