中村俊輔氏 フェイエノールト・綺世は監督にとって重要な選手 ラツィオ・鎌田は連係合えば中盤で王様に
2023年10月27日 05:30
サッカー
ただ、ホームアドバンテージを差し引いても、今回は「チームの完成度はフェイエが上だった」と言う。システムはともに4―3―3で、守備時も同じように4―4―2を形成。守備については「“アンカーを誰が見るんだ?”となったときに、そこのマークの仕方は、フェイエの方が定まっていた」と指摘し、攻撃も「ボール回し、ビルドアップから相手陣地に入るところ、サポート、連動性はフェイエの方が質は高かった。だからパスも(ラツィオより)回っていた」と分析した。
注目の日本人対決は、フェイエノールトの上田が後半33分から出場したものの、ラツィオの鎌田は出番なしで実現せず。ともに今季加入の新天地で苦しんでいる状況だが、俊輔氏は「長いサッカー人生を通じ、ずっとレギュラーで試合に出られるのは、ほぼあり得ない。逆に試合に出られないのは、強いチームに飛び込んで勝負している証拠。だから全く悲観する必要はない」と前向きだ。
上田のライバルは、この試合でも2得点を決めた22歳のメキシコ代表FWヒメネス。ポジション奪取は決して簡単ではないものの、「2人は似たタイプだし、いい競争になると思う。ラツィオ戦もそうだったけど、途中出場で(前線から)相手を追い回していたし、監督にとっては重要な選手になっているはず」と好印象を口にする。
鎌田に対しても同様の見解だ。新天地では新たにインサイドハーフに挑戦。まだ周囲との連係は確立されていないが、前線への飛び出しなど、他のMFにない武器もあり「連係が合ってくると、逆に中盤で王様になれる可能性もある」と断言。続けて「やるべきタスクが多いインサイドハーフで良いパフォーマンスを発揮できたら、日本代表にもつながってくると思う。4―2―3―1のトップ下はもちろん、4―3―3でもインサイドハーフで出場できる。今がまさに成長するチャンス。鎌田君もそれを分かってラツィオに移籍したと思う」と今後の巻き返しに期待を寄せた。
≪欧州CL日本人対決実現せず 途中出場の綺世見せ場なし≫フェイエノールトのFW上田は3―0の後半33分から出場。限られた出場時間で見せ場はなかった。上田と交代したエースのヒメネスは出場停止明けのCLデビュー戦でいきなり2得点。出場9戦連発でその間に15得点と圧倒的な実績を残し、定位置を狙う上田にとって高い壁となっている。ラツィオのMF鎌田は出番なし。最近の公式戦3戦連続で先発を外れ、踏ん張りどころを迎えている。