川崎F PK戦10人目にまでもつれ込んだ死闘制し3年ぶりV 相次ぐ主力流出も若手台頭で“無冠”回避

2023年12月10日 05:00

サッカー

川崎F PK戦10人目にまでもつれ込んだ死闘制し3年ぶりV 相次ぐ主力流出も若手台頭で“無冠”回避
<川崎F・柏>優勝を喜ぶ川崎Fイレブン(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 【天皇杯決勝   川崎F 0-0PK8-7 柏 ( 2023年12月9日    国立 )】 川崎Fが柏との死闘を制し3大会ぶり2度目の優勝を果たした。決勝歴代最多の6万2837人が来場した一戦は0―0で120分を終え、両軍10人目までもつれたPK戦を8―7で制した。指揮7年目の鬼木達監督(49)はリーグ戦で8位も、昨季の無冠から自身7度目となるタイトル獲得。川崎Fは来秋開幕の次回ACL出場権も手にした。
 二兎(にと)を追う挑戦は、無謀ではなかった。10人目にもつれたPK戦を制し2年連続の無冠を土壇場で返上した鬼木監督は「タイトルは獲り続けないと獲れないことに慣れてしまう。リーグがああいう形(8位)だったからこそ、天皇杯を獲りたい思いがあった」。強豪と呼ばれるクラブならではの心境を明かした。

 柏にビルドアップを狙われて速攻を許し、前半のシュートはわずか1本。全体でも7対19と、自慢の攻撃力は封印された。それでもシュートへの寄せや球際の厳しさを徹底。勝負どころをしのぎ、120分スコアレスでPK戦へ。両軍ともキッカーがGKまで回る死闘を制した。

 17年に鬼木監督が就任後、4度のリーグ制覇を含め5年連続でタイトルを獲得。一方で主力の海外挑戦が続き、6年目の昨季は初の無冠となった。過渡期の今季、クラブは勝利と同時に若手育成もテーマに掲げた。その象徴が、大卒3年目で新主将に指名された橘田だった。

 当初は迷いがプレーに表れ、夏場には数試合ベンチを外れた。悩める若き主将は、古巣の練習場を訪れた日本代表DF谷口に相談しながら成長。思い切りを取り戻し、10月の公式戦5試合で4得点。「やり続けたことが正しかったと証明された」と胸を張る。

 天皇杯はMF瀬古やFW宮代らも含め若い力が躍動し、接戦を勝ち抜いた。前回優勝した20年度はコロナ禍で準決勝から出場。6試合を勝ち抜いた勲章に涙も見せた指揮官は「みんなの力で優勝した分、前回よりうれしい」と成長を喜んだ。監督としてタイトル獲得7度は個人最多タイ。8年目を迎える来季もベテランと若手の融合を進めつつ、リーグ奪還そしてアジア初制覇へと歩みを続ける。

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