ベトナム代表 トルシエ監督で攻撃的チームに変身 “ベトナムのメッシ”が語る代表の現状

2024年01月11日 04:40

サッカー

ベトナム代表 トルシエ監督で攻撃的チームに変身 “ベトナムのメッシ”が語る代表の現状
23年10月、中国との親善試合で指揮をとるベトナムのトルシエ監督(ゲッティ=共同)  Photo By ゲッティ=共同
 日本代表は14日にアジア杯カタール大会(12日開幕)1次リーグ初戦でベトナム代表と対戦する。敵将は日本でもなじみ深いフィリップ・トルシエ監督(68)で、いきなりの“因縁対決”が実現する。かつて10番を背負った“ベトナムのメッシ”ことJ2横浜FCのFWグエン・コンフオン(28)がスポニチ本紙の取材に応じ、02年W杯日韓大会で日本を指揮したフランス人指揮官や、現ベトナム代表などについて語った。
 「彼ほど激しく、強烈なキャラクターを持っている監督はいなかったですね」。育成年代から多くの外国人に指導された経験を持つコンフオンにとっても、トルシエ監督は“別格”だったという。

 戦術「フラット3」など、日本でも一世を風靡(ふうび)した熱血指導や過激発言の数々。日本を初の16強入りに導いた02年W杯日韓大会から約20年以上たった今も、フランス人指揮官のサッカーへの情熱は衰えを知らないようだ。

 「情熱は変わらないですし、彼のアグレッシブな姿勢もおそらく、(日本の)皆さんが想像している通りだと思います。ミーティングも2時間近くやる時もありますし、グラウンドに行ってもずっと話しています」

 ただ、決してネガティブな印象はないという。ベトナムの国民性は一般的に勤勉で温厚と言われ、欧州人の指導は刺激的かつ有効的なようで、アジア杯のメンバーから外れているコンフオンも「周りはどう思っているかは分かりませんが」と前置きした上で「彼のサッカーに対する熱い気持ちというのが表れていると思うので、悪い印象はないです」と前向きだ。

 ではトルシエ監督が就任し、ベトナム代表はどう変わったのか。23年2月に就任し、成績はここまで8戦4勝4敗。イラク、フィリピン、インドネシアと同じF組に入った26年W杯2次予選でも1勝1敗で2位と健闘している。

 戦術も韓国人の朴恒緒(パク・ハンソ)前監督時代は「守備重視で、練習も守備のトレーニングが多かった」ようだが、トルシエ監督就任後は3―4―3を基本布陣に「ポゼッションを試している」と攻撃的にプレーしているという。もちろんチームは発展途上で、コンフオンも「同レベルのチーム相手にはゲームをつくれるけど、格上には前に人数をかけると後ろが空くといった問題点も出てくる」と指摘する。

 メンバーはトルシエ監督が19~22年にかけて指導したU―19世代を多く招集。今後のポイントはその若い彼らと「初めてトルシエ監督に指導される選手たちが、同じような考えを持って組織的に戦えるかどうか」という。

 日本とは前回の22年W杯最終予選でも対戦。ホームでは0―1、アウェーでは1―1とともに僅差の戦いを演じた。それでもコンフオンは「少ないチャンスをものにしただけ。実力差はまだ大きい」と言う。そして最後に日本戦へ「経験値を上げる意味で、日本から多くのことを学んでもらいたい」とエールを送った。

 ◇グエン・コンフオン 1995年1月21日生まれ、ベトナム出身の28歳。ユース年代でプレミアリーグの名門アーセナルに短期留学した経験を持つ。15年に母国の強豪ホアンアイン・ザライでプロデビューし、16年にJ2水戸に期限付き移籍。19年に韓国Kリーグの仁川に移籍し、同7月にベルギー1部シントトロイデン入り。ホーチミン・シティを経て23年に横浜FCに加入。ベトナム代表はU―19から各年代で選出され、国際Aマッチ51試合11得点。1メートル68、65キロ。利き足は右。

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