佐藤恵允独占手記 苦闘の中で支え合ったファミリーに感謝

2024年05月01日 04:38

サッカー

佐藤恵允独占手記 苦闘の中で支え合ったファミリーに感謝
後半、ボールを競り合う佐藤(右)=撮影・小海途 良幹 Photo By スポニチ
 【サッカーパリ五輪予選兼U―23アジア杯カタール大会準決勝   日本2―0イラク ( 2024年4月29日    ドーハ )】 MF佐藤恵允(22=ブレーメン)は大岩ジャパンの背番号10を背負う。今大会は全5戦に出場、まだ無得点ながらパリ五輪切符獲得に欠かせない存在となっている。昨夏、明大サッカー部を退部し、Jクラブを経由せずドイツに渡った異色のアタッカーが本紙に独占手記を寄せた。
パリ五輪切符、獲得しました!率直にうれしいです。

 本当に苦しい戦いでした。初戦の中国戦から無得点が続いて悔しかった。代表での背番号10というプレッシャー、五輪という大舞台の出場権が懸かった緊迫感。普段は重圧は感じないタイプだけど今回は感じていて。考え過ぎて空回りしていた自分がいたのが正直なところです。特に1次リーグ最終第3戦の韓国戦は好機でゴールを決めることができなかったことが負けに直結してしまいました。

 その翌日、初めて選手だけでミーティングをしました。冒頭でキャプテンの(藤田)譲瑠(チマ)が話した後に(内野)貴史が気を利かせて「恵允なんかある?」って振ってくれたんです。そこで自分の苦しい本音を吐き出しました。そしたら、(山本)理仁たちが「ここにいる人はみんなファミリーだよ」って。涙は見せませんでしたが、泣きそうでした(笑い)。思いを伝えたことで気持ちも楽になりました。話を振ってくれた貴史をはじめ、仲間たちに感謝ですね。

 大岩監督からは常々「A代表がスタンダードだぞ」と言われてきました。海外遠征ではミーティング中にA代表のドイツ戦(23年9月、4―1)の試合映像を全員で見ました。攻守の切り替え、球際の強さ、味方と関わるポジショニング。映像だけでレベルの違いを、迫力を感じ、大岩監督が「俺たちはここまでやるぞ!」と言っていたのを覚えています。自分の目標もA代表でW杯に出ること。26年W杯北中米大会に出るためにも、まずはA代表スタンダードに追いつきたいです。

 パリ切符はつかみましたが、まだまだ戦いは続きます。決勝、そして五輪本番。自分はまだ10番としての仕事を果たしてない。引き続き、自分のできることを最大限やっていきます。(U―23日本代表MF)

 ◇佐藤 恵允(さとう・けいん)2001年(平13)7月11日生まれ、東京都世田谷区出身の22歳。コロンビア人の父と日本人の母を持ち、5歳からサッカーを始める。実践学園を経て明大に進学。21年10月にU―22日本代表に初選出。23年8月に明大サッカー部を退部してブレーメン(ドイツ)に加入。趣味は自炊で得意料理はハンバーグ。大切にしている言葉は「素直さも武器」と「継続する力」。1メートル78、75キロ。右利き。

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