静岡県知事選も敗北 岸田自民、大型選挙“連敗” 元浜松市長・鈴木康友氏が初当選

2024年05月27日 04:40

社会

 職業差別と捉えられかねない発言が問題視された川勝平太前知事の辞職に伴う静岡県知事選は26日投開票され、立憲民主、国民民主両党が推薦した無所属新人の元浜松市長鈴木康友氏(66)が、自民党推薦で無所属の元副知事大村慎一氏(60)ら5新人を破り初当選を果たした。
 出口調査では、鈴木氏は地盤の浜松市を含む県西部で他候補を引き離した。大村氏は出身地の静岡市がある県中部で票を伸ばしたが及ばなかった。

 自民党は裏金事件を巡る逆風が響き、全敗した4月の衆院3補欠選挙に続く大型選挙での敗北。岸田文雄首相の求心力はさらに低下し、再選を目指す総裁選を控え「首相では選挙を戦えない」との声がますます強まるのは必至だ。自民党は、地元選出議員以外の応援を控えるなど自民色を薄めたステルス戦を展開。中盤の情勢調査では一時、鈴木氏と競り合う状況に持ち込んだ。安倍派の座長だった塩谷立衆院議員が離党、同派所属だった宮沢博行氏が女性問題で議員辞職するなど、相次いだ県連所属議員の不祥事が尾を引いた側面もありそうだ。

 川勝氏が大井川の水量低下など環境への影響を懸念し、静岡工区の着工を認めてこなかったリニア中央新幹線への対応が主な争点。JR東海は2027年の品川―名古屋間開業を断念。ネット上などでは「静岡のせい」と指摘する声が上がる事態となっている。

 選挙期間中には、岐阜県のトンネル掘削現場周辺で井戸などの水位低下が判明した。鈴木、大村両氏ともに工事推進を掲げていたが、川勝県政を評価する有権者が多いことを踏まえ、環境保全との両立を強調した。

 ただ、水位低下は「どこでも起こりうる問題」(政府関係者)で、住民の不安は根強い。鈴木氏が対応を誤れば、厳しい批判にさらされることになりそうだ。

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