検事総長に畝本直美氏起用 33代で初の女性 主要ポストを経ず就任の背景に「本命の失脚」
2024年06月29日 05:30
社会
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東京高検検事長時代には、洋上風力発電事業を巡る汚職事件や自民党派閥の裏金事件などを指揮。1966年に静岡県の一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の第2次再審請求の差し戻し審では、再審開始を認めた東京高裁決定に対し、最高裁への特別抗告を断念した。
歴代検事総長は法務省刑事局長や法務事務次官、東京地検検事正といったポストを経験するのが通例だ。畝本氏はいずれにも就いておらず、異色の経歴といえる。
同年代の総長候補は辻裕教元仙台高検検事長(62)が本命視されていたが、辻氏は事務次官時代に黒川弘務元東京高検検事長の「定年延長」を巡る対応で事実上失脚したとされ、定年まで1年超残して仙台高検検事長を辞職した。こうした経緯などから、安定感に定評のあった畝本氏が抜てきされたもようだ。女性登用への期待の高まりも後押しした。
小泉龍司法相は28日の閣議後記者会見で「男性だから、女性だからといったものを超越した、より高次元の使命にまい進されることを期待する」と述べた。