仏総選挙 左派が逆転勝利 極右失速し第3勢力に 「包囲網」で番狂わせ

2024年07月09日 05:30

社会

仏総選挙 左派が逆転勝利 極右失速し第3勢力に 「包囲網」で番狂わせ
フランス下院総選挙決選投票の結果を受けて、レピュブリック広場に集まって歓声を上げる左派連合の支持者たち=7日、パリ(共同) Photo By 共同
 フランス国民議会(下院、577議席)総選挙の決選投票は7日即日開票され、事前予測を覆して左派連合が第1勢力となり勝利した。マクロン大統領の中道与党連合は2位。与党と左派の選挙協力による「極右包囲網」が奏功して反移民、反欧州連合(EU)の極右政党、国民連合(RN)は最後に失速、第3勢力にとどまった。ただ、どの勢力も過半数の289議席には程遠い上、左派と与党は強く対立してきたことから、多数派形成は難航するとみられる。
 マクロン氏は2027年の任期終了まで辞任しない考えを示しているが、各勢力から辞任圧力が強まるとみられ、政治的弱体化は必至。今月下旬開幕のパリ五輪を前に政治の混迷が続く可能性もある。

 地元メディアによると、与党連合のアタル首相は8日、首相任免権を持つマクロン氏に辞意を伝えたが、マクロン氏は国の安定を確保するためとして、当面の間留任するよう要請した。マクロン氏は「新議会の構成を待って必要な決定を下す」としている。

 フィガロ紙によると、暫定最終結果の議席数は極左政党「不屈のフランス」や社会党、環境派などから成る左派連合「新人民戦線」が178(前回選挙131)。与党連合が156(同245)で続き、RNは党史上最多の142(同89)。右派の共和党はRNと連携した一部議員を除き66(同61)となった。

 投票率は約66%で、決選投票としては約71%だった1997年以降、最高となった。多くの有権者がRNの台頭を懸念し、投票したとみられる。

 6月30日の第1回投票で、RNが得票率トップで過半数をうかがう勢いを示したことから、与党連合と左派連合を中心に210人以上の候補者が決選投票の出馬を辞退し、候補者を一本化した。

 RNのバルデラ党首は7日、与党連合と左派連合の「不名誉な同盟」を非難。「不屈のフランス」のメランション氏はマクロン氏の「敗北」を強調し「左派連合が国を統治すべきだ」と訴えた。

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