自民 都議補選2勝6敗の大敗 衆院選で下野が現実味 「岸田降ろし」拍車必至

2024年07月09日 05:30

社会

自民 都議補選2勝6敗の大敗  衆院選で下野が現実味 「岸田降ろし」拍車必至
地元の八王子市選挙区で候補者が敗北し、支援者らにあいさつする自民党の萩生田前政調会長 Photo By 共同
 東京都知事選に併せて実施された都議補欠選挙は8日、開票結果が確定し、全9選挙区のうち8選挙区で候補を擁立した自民党は2勝6敗と大敗した。都連会長を務める萩生田光一前政調会長の地元、八王子市選挙区でも敗北。派閥の裏金事件で党役職停止1年の処分を受けながら都連トップに居座り、批判が高まっていた。次期衆院選の前哨戦と位置付けた補選で逆風がより鮮明となり、党内の危機感は一層強まった。
 9選挙区で有していた議席は5つ。第1党の座にとどまったものの、低く見積もった勝敗ライン「4勝」も下回った。岸田文雄首相は視察先の岐阜県恵那市で「結果を真摯(しんし)に受け止め、今後に生かしていかなければならない」と語った。一方、平沢勝栄衆院議員(東京17区)が「大惨敗。党の土台の抜本的な変革が必要」と話せば、大西英男衆院議員(同16区)は「完敗。首相は辞任し、9月に新しい総裁を選ばなければならない」と強調。「岸田降ろし」に拍車がかかるのは必至だ。

 自民議員の死去に伴う補選となった八王子市は諸派元職との一騎打ち。自民新人は約4万5000票差で敗北した。萩生田氏は7日夜、支援者らに「逆風の原因をつくった一人としておわびからの選挙だった」と述べた。裏金事件で党員資格停止1年の処分を受けた下村博文元文部科学相の地盤の板橋区では競り勝った。

 都知事選では現職小池百合子氏を裏で支援する“ステルス勝ち馬作戦”を展開。都議補選では党を前面に出し、無党派対策として、知名度の高い石破茂元幹事長や河野太郎デジタル相らを応援に投入した。しかし、勝利は板橋区と府中市のみ。八王子市の他、大都市部である江東、品川、中野、北、足立の各区を落とした。

 次期衆院選から東京都の小選挙区は25から30に増えるだけに党内に衝撃が走った惨敗劇。衆院選ではこれまで、県庁所在地など各地の都市部の選挙区で自民候補の落選が相次ぐ「1区現象」が起きており、公明党と合わせても過半数に届かず下野する事態が現実味を帯びてきたと言える状況。自民幹部は国政選挙について「壊滅的な結果になる可能性がある」と危機感を示した。

 一方、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が2位となった都知事選は、既成政党に対する有権者の不信感を如実に示した。次期衆院選は、野党にも期待を持てず多くの有権者が漂流する状況が危惧されそうだ。

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