巨人選手の殺害予告「惨殺し死刑にします」 元日本生命の女を逮捕 ネット投稿「やりすぎて覚えていない」

2024年07月10日 04:45

社会

巨人選手の殺害予告「惨殺し死刑にします」 元日本生命の女を逮捕 ネット投稿「やりすぎて覚えていない」
威力業務妨害の疑いで逮捕された天野里美容疑者(日本テレビ「news every.」から)
 インターネット掲示板に、プロ野球巨人の選手の個人情報が記載された写真とともに「惨殺し死刑にします」などと投稿して球団の業務を妨害したとして、警視庁捜査1課は9日、威力業務妨害の疑いで東京都世田谷区桜新町、日本生命保険の元社員天野里美容疑者(27)を逮捕した。
 捜査1課などによると、投稿されたのは天野容疑者が2020~23年に勤めていた同社の顧客情報画面の写真。契約していた選手の名前や自宅住所などが記されていた。情報を閲覧できる立場を利用し、勤務当時に撮影したとみられる。「いっぱいやりすぎて覚えていない」と供述している。逮捕容疑は4~6月、インターネットの掲示板に、選手1人の個人情報などを30回以上投稿し、球団の業務を妨害した疑い。

 天野容疑者と選手に面識はないという。19年にも同じ選手に対する脅迫罪で罰金刑を科されていた。5月に球団が警視庁に「選手に対する殺害予告がある」と相談していた。

 日本生命は「流出したのは弊社の顧客情報画面である可能性が高い」と認め、「元社員がこのような事件を起こしたことは大変遺憾です。関係者やお客さまにご心配とご迷惑をおかけしたことをおわび申しあげます」とコメントした。

 同社によると、社員の職務によって顧客情報へのアクセス権限が制限されており、容疑者については「営業担当で既契約のお客さまに対応することがあるため、情報にアクセスできる立場にあった」という。同社では「今後はセキュリティーの強化と社員への教育を徹底したい」とした。

 日本生命は、2005年から冠スポンサーとして、「日本生命セ・パ交流戦」へ特別協賛をしている。

 ≪巨人の広報部コメント「重大かつ深刻な事案」≫読売巨人軍広報部は「執拗(しつよう)なネット上の投稿により、対象とされた選手はプレーに専念することが妨げられました」とコメント。「重大かつ深刻な事案であり、球団としてもプロ野球界全体としても、このようなことが二度と起きないよう全力で取り組まなければならないと考えております」とした。対象とされた選手と容疑者には面識もなく、接点も一切ないという。

 ≪「威力業務妨害」なら3年以下の懲役or50万円以下の罰金≫

 選手の殺害予告を投稿した容疑者。「脅迫」ではなく「威力業務妨害」の疑いでの逮捕となったが、元大阪地検の亀井正貴弁護士は「投稿内容は脅迫罪も十分に成立する」とする。理由に(1)法定刑の重さと(2)立証の容易さ――を挙げた。

 (1)については「脅迫罪の法定刑が2年以下の懲役または30万円以下の罰金なのに対し、威力業務妨害罪は3年以下の懲役または50万円以下の罰金。2つの罪が同時に成立する時には、一般的に法定刑が重い方を適用する」と説明。

 (2)については「脅迫罪の場合、被害者にあたる選手本人が投稿により恐怖を感じたことを立証する必要がある。一方、威力業務妨害罪では球団が被害者となり、投稿によって業務が妨害されたことを立証できればいいため、そちらの方が容易だったのだろう」とした。

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