バイデン氏、戦い続けるワケ 大統領選撤退論拡大する中 ジル夫人の五輪“参加”が影響か
2024年07月21日 04:40
社会
こうした中、新型コロナウイルスに感染し自主隔離中のバイデン氏は声明を発表し「来週、選挙戦に復帰するのを楽しみにしている」と強調。銃撃事件で求心力を高めた共和党のトランプ前大統領(78)を意識し「力を合わせれば打ち負かすことができる」と党の結束を呼び掛けた。撤退論を加速させたとされる感染。ホワイトハウスはバイデン氏の症状について、せきが続いているものの、回復傾向にあるとの診断を発表した。
崖っ縁に追い込まれ、週末にも撤退を決断する可能性があるとの観測が強まる中での選挙戦継続宣言。ジル夫人(73)が出席する26日のパリ五輪開会式が少なからず影響しているのでは、との見方が一部で浮上した。
夏季五輪では初めて競技場外で行われ、約160隻の船に分乗した各国選手団がセーヌ川を6キロにわたり船上パレード。夫人ら要人は、終盤の式典会場となるパリ中心部のトロカデロ庭園に設けられた客席で、セレモニーを見るという。
全世界で10億人が視聴するとされる開会式。国際映像が米選手団に手を振る夫人の姿を捉えた際、すでに撤退を決断していれば、各国の中継で「大統領は撤退したばかり」などと不名誉な形で紹介されかねない。50年以上に及ぶ政治家としての功績を損なわない状況を模索、開会式以降への先延ばしも含め、時期を慎重に検討しているとみられている。
ホワイトハウスは五輪開催国との関係も踏まえて、ファーストレディーの開会式出席を判断。米仏関係に与える影響への評価も判断材料になりそうだ。家族の意見を重視するバイデン氏。NBCテレビは、決断に備え、どのように表明するのが最善か家族が話し合っていると報じた。