石破氏、最後の戦い 進次郎氏に宣戦布告「必要なのは“刷新感”ではない。本当に刷新されたかどうか」

2024年08月25日 05:30

社会

石破氏、最後の戦い 進次郎氏に宣戦布告「必要なのは“刷新感”ではない。本当に刷新されたかどうか」
石破氏を巡る相関図 Photo By スポニチ
 自民党の石破茂元幹事長は24日、地元の鳥取県八頭町の和多理神社の境内で、自身5度目の挑戦となる党総裁選(9月12日告示―27日投開票)への立候補を表明した。総裁選に正式に名乗りを上げたのは、小林鷹之前経済安全保障担当相に続き2人目。「最後の戦い」と位置付け、地方票で競合する小泉進次郎元環境相へのライバル心をむき出しにした。
 気温が35度に迫り、せみ時雨が響く神社。石破氏はスーツにネクタイ姿で、額に大粒の汗を光らせながらマイクを握った。和多理神社を選んだ理由について「今から40年前、党の公認も見通せない中、国民一人一人にお願いをした。その原点に返りたいと思った」と説明。「子供の頃の夏休み、ここで夏祭りがあった。本当ににぎやかだった。もう一度、みんなが笑顔で暮らせる日本を取り戻したい」と地方再生に全力を挙げる考えを強調した。

 1986年の衆院初当選から38年。「政治生活の集大成、最後の戦いとして原点に戻り、全身全霊で支持を求めていく」と“背水の陣”で挑む決意を強調。集まった支持者から拍手が湧いた。ただ総裁選挑戦を「最後の戦い」にすることは、前日23日に明かしていた。自民党関係者からは「出馬表明のタイミングまで温存しておくべきだった。インパクトに欠けてしまった」との声も漏れた。

 一方、自身の強みを問う質問には「強いて強みがあるとすれば、国民からの期待を高く頂いていること」とし、小林、小泉両氏に欠けているとされる「経験」に言及。さらに「必要なのは“刷新感”ではない。本当に刷新されたかどうかということだ」と語気を強めた。

 「選挙の顔」を選ぶ今回の総裁選で若手・中堅の間で求められているのが、裏金事件の印象を払拭させるための「刷新感」。コバホークの愛称が定着しつつある49歳の小林氏、30日に出馬表明を予定している43歳の小泉氏が人気を二分。名前こそ出さなかったが「刷新感ではない」の言葉は、2人を強烈に意識したものと思われる。

 小泉氏とは前回「小石河連合」として、総裁選に出馬した河野太郎デジタル相を支えた仲だが、今回は強力なライバル関係。小石河の票は分散必至で、小泉氏が1位となった世論調査の結果も出ている。報道陣からこの点を指摘されると「これから1カ月、党の在り方、政治とカネ、政策、それをうわべの言葉ではなく一人一人の心に響くよう訴えることでのみ支持を広げられる」と返答。“発言に内容がない”などとやゆされる小泉氏に挑戦状を叩きつけた。

 「普通の女の子に戻りたい」の名言を残し1978年4月に解散した「キャンディーズ」の大ファンとしても知られる。総裁選に敗れ「普通のおじさん」になってしまうのか。石破氏の最後の戦いが始まった。

 ◯…石破氏が初めて総裁選に立候補したのは2008年。この時は、麻生太郎元首相や現東京都知事の小池百合子氏らも出馬し計5人で争った。麻生氏が選出され、石破氏は最下位だった。09年は出馬を見送り、12年に再チャレンジ。第1回投票では党員票の過半数を獲得し5人中トップに立つも、決選投票で安倍氏に敗北した。18年は石破派会長として臨んだが、安倍氏との直接対決に敗れ三度目の正直とはならず。菅義偉氏が選出された20年は岸田文雄氏にも後れを取り、4度目の挑戦でまたも最下位に。その後、石破派会長を辞任。前回、21年は出馬せず、小泉氏とともに河野氏を支援した。

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