弟子素描にダビンチ直筆文 伊学者らが鑑定、内容は「いつか解き明かされるかもしれない謎」

2024年08月25日 05:30

社会

 スイスの美術品収集家が所有する絵画の一部に書かれた文章がレオナルド・ダビンチの直筆である可能性が高いと、イタリアの美術史学者らが鑑定した。何と書かれているかまでは解読できておらず、鑑定を主導したシルバーノ・ビンチェッティ氏は「いつか解き明かされるかもしれない謎だ」としている。
 絵画は、若い女性の上半身を赤い木炭で描いた素描。スイスの古美術商らの手を経て1990年代に再発見され、ダビンチ研究の権威として知られる故カルロ・ペドレッティ氏が2001年、ダビンチの弟子、チェーザレ・ダセスト(1477~1523年)による作品だと認定していた。

 ビンチェッティ氏は、ペドレッティ氏の考察から、絵の右上にある鏡文字がダビンチの手書きではないかとの仮説を立て、筆跡の専門家に鑑定を依頼。今年4月、ダビンチの筆跡の特徴と高い確率で一致するとの鑑定結果が出た。歴史的な資料とも突き合わせ、ダビンチ自身が弟子の素描に直接関与したとの結論に至った。

 ダセストはイタリア南部メッシナなどでも活動し、南部に「レオナルド派」が広まったきっかけともなったとされる。ビンチェッティ氏は美術史研究に造詣が深い作家で、ダビンチの名画「モナリザ」の研究に関する著書がある。

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