“居座り台風”終わらない豪雨 ジョギング速度で接近 最大風速50メートル ケガ人相次ぐ

2024年08月29日 05:30

社会

“居座り台風”終わらない豪雨 ジョギング速度で接近 最大風速50メートル ケガ人相次ぐ
台風10号の影響で高波が打ち寄せる鹿児島県指宿市の海岸 Photo By 共同
 気象庁は28日、非常に強い台風10号の接近に伴い奄美を除く鹿児島県に台風の暴風、波浪特別警報を発表、同県の薩摩地方には高潮特別警報も出した。愛知県蒲郡市では27日夜、土砂崩れに住宅が巻き込まれた。家族5人全員が見つかり、1人の死亡が確認された。宮崎、鹿児島両県では突風などでケガ人が相次いだ。
 台風10号は28日、屋久島の南南西約90キロをゆっくりと北へ進んだ。中心気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルで中心から半径110キロ以内が風速25メートル以上の暴風域。非常に強い勢力のまま、きょう29日にかけて九州に接近し、その後上陸するとみられる。

 台風10号の脅威は、勢力だけでなくその遅さ。時速約10~15キロで何とジョギング並みだ。進路予想では、29日午前は鹿児島県の西側の海上を北東に進む見込み。ノロノロと停滞し、その間、九州一帯を激しい雨と風に巻き込む“居座り台風”の様相だ。

(九州通過後は//四国に停滞か///) これほど速度が遅い原因は台風が風に乗れないため。通常、台風自体に前進する力はなく、太平洋高気圧の縁を吹く風に乗って進む。日本列島付近まで北上すると、偏西風に乗り一気に東に速度を上げる。しかし、台風10号は太平洋高気圧から遠く、偏西風が日本列島の北方にあるため、風に乗れていない。海外の気象予報組織の欧州中期予報センターは、九州を通り抜けた後も四国付近に数日停滞すると予測している。

 24時間雨量は多い所で600ミリと、記録的な大雨が予想される。九州各県と山口県や、香川を除く四国3県では線状降水帯が発生する恐れがある。気象庁は、雨や風が強まる前に避難するなど早めの安全の確保を求めた。

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