深センの邦人男児刺殺事件 中国警察「偶発的事件」と説明 日中関係悪化を懸念か
2024年09月21日 05:30
社会
日本人学校の周辺では20日、監視カメラが増設された。中国当局には、日本側が要請した警備強化への対応をアピールする狙いがありそうだ。
ただ日本側では容疑者が日本人児童を狙ったとの見方が強まっている。制服で登校する地元児童と違って私服の日本人児童は容易に見分けが付くためだ。政府関係者は、男児の家族と容疑者は面識がないとみており、個人的な恨みが動機の可能性も低そうだ。
事件が起きた18日は満州事変の発端となった柳条湖事件から93年で、反日感情が高まっていた。
深セン特区報によると、容疑者の男は2015年と19年に広東省東莞と深センでそれぞれ、公共通信施設を破壊した容疑や虚偽情報を流した公共秩序騒乱容疑で身柄を拘束されたことがあるという。
6月に江蘇省蘇州で日本人母子らが中国人の男に切り付けられた事件の際も、中国政府は「偶発的な事件」と判断した。
日本人学校には20日までに千を超える花束が贈られた。インターネット上では事件に関する反日的な書き込みも少なくないが、花束のほとんどは中国人からで、哀悼の意を示す人が後を絶たない。保護者らも続々と献花に訪れ、中学生の息子がいる日本人男性は「悔しくて悲しい。二度とこんな悲惨な事件が起きないでほしい」と話した。