若年層にウケる国民民主党 デジタル戦略を専門家が分析 予測通り議席数の大幅増なるか

2024年10月25日 05:30

社会

若年層にウケる国民民主党 デジタル戦略を専門家が分析 予測通り議席数の大幅増なるか
玉木雄一郎代表が出演する国民民主党のショート動画(YouTubeから)
 27日投開票の衆院選では、各党や候補者が交流サイト(SNS)向けに街頭演説や政策などを数十秒にまとめた「ショート動画」による支持獲得に力を入れている。時間対効果を意味する「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する風潮を踏まえ、SNSを頻繁に使う若年層に浸透を図る戦略だ。
 自民党は石破茂首相による福島県いわき市での第一声を素材に60秒の動画を公開。立憲民主党は野田佳彦代表の30秒動画を作成。ほかに、野田氏にさまざまな質問を投げるQ&A方式の動画もアップ。公明党は党のゆるキャラ「コメ助」がラップに合わせ踊る動画。国民民主党は玉木雄一郎代表が選挙活動の合間の移動中などに、フランクに政策や手応えを語る動画を随時制作している。

 政治と行政のデジタル戦略を調査・分析する「ネットコミュニケーション研究所」の中村佳美代表(32)はこうした動きに「SNSが国民の生活ツールとして根付いた。政治の現場も対応していかないと票を伸ばせない」と分析。一方、短くまとめたり切り抜いた動画は「情報が切り取られイメージ先行となったり、フェイクニュースにつながる。また、冷静な議論より過激な意見が注目される」と警鐘を鳴らす。

 ショート動画は、2018年ごろから動画アプリ「TikTok」の流行とともに若者の間で人気が定着。今年7月の東京都知事選では石丸伸二氏の陣営が積極活用。数十秒に切り抜いた動画をSNSなどで拡散させ、若者を中心に支持を拡大させた。一方、活動範囲の狭い小選挙区制の衆院選では効果を疑問視する声もある。

 各党の動画については「自民は演説だけだが、立民は野田さんのQ&A方式。カジュアルで人柄が分かる方が閲覧数が伸びる傾向にある」と立民に軍配。デジタル戦略にたけているのは国民民主。早くから玉木氏がSNSで発信をしており「ショート動画だけでなくYouTube生配信の視聴数も高い。玉木氏のフォロワー数の伸びも高い」と分析した。

 各種情勢調査では国民民主は議席数の大幅増が予測され、裏金問題もある自民は苦戦。デジタル戦略とのリンクに、中村さんは「ネットとリアルの距離が狭まっている」と指摘した。

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