加藤凌平 0.1差でリオ決めた「今までで一番、しびれる着地」
2016年05月06日 05:30
体操
リオデジャネイロ五輪の代表選考会を兼ねて行われ、男子は加藤凌平(22=コナミスポーツ)が、全日本選手権の持ち点89・400点と合わせて合計180・100点で2位に入った。3位・田中佑典(26=同)とわずか0・1点差の大接戦を制し、2大会連続の五輪代表に決定。既に代表に内定している内村航平(27=同)が184・650点で圧勝し、8連覇を達成した。
ライバルが称えるほどの好演技を見せつけた。最終種目の鉄棒。先に演技した田中佑が15・900点をマーク。合計で加藤が上回るためには、15・500点を超える得点が必要だった。G難度のカッシーナなどを決めて着地も完璧。演技を終えた加藤が右拳を握りしめれば、田中佑は拍手を送った。15・600点。全日本との計12種目でわずか0・1点差の激戦を制し、加藤が2大会連続の夢切符を手に入れた。
「練習でも試合でも、なかなか取れる点じゃない。縮こまってミスのない演技にこだわっても、点は伸びない。開き直った。今までで一番、しびれる着地だった」
崖っ縁に追い込まれていた。加藤は全種目に穴がないが、白井の床運動のように飛び抜けた種目もない。リオ選考は内定している内村に加え個人総合で1人、他の3人は種目別の貢献度で選出される。加藤は個人総合の今大会で代表を逃せば、リオ切符が絶望的。大一番で生きたのがメンタルの強さだった。
「追い詰められても、平常心でいられる。五輪のプレッシャーがかかる場面でも、こんな演技ができると自信がついた」
会場の内外で常にポーカーフェースの22歳。海外遠征の出発時にパスポートを忘れても、「そこまで焦らなかった」と言う。そんな男が、これまでで一番、慌てたのは練習時間になっても眠っていた時。「寝ている時に電話が鳴って…。最高にテンパりましたね」。朝が苦手で起床時間への緊張は常にあっても、演技中の緊張とは無縁だ。
昨年8月、跳馬で高難度の「ロペス」に挑み、着地で左足首を痛めた。患部は万全ではないが、この日は同じ技に挑戦。同種目で田中佑に差をつけたことも、リオ切符獲得の要因だった。04年アテネ五輪以来の団体総合制覇へ、エース・内村とともにオールラウンダーとして期待が懸かる。「五輪までに(内村)航平さんに並べるくらいの力をつけていきたい」。内村との2本柱で“栄光の架け橋”を再現する。
◆加藤 凌平(かとう・りょうへい)五輪では初出場の12年ロンドン大会で団体総合銀メダルに貢献。世界選手権では13年に個人総合銀、15年は団体総合金を獲得。元世界選手権代表の父、裕之氏が監督のコナミスポーツへ今春入社。埼玉栄高、順大出。1メートル63、55キロ。22歳。埼玉県出身。
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