稀勢 ヒヤリも逆転○“ケガの功名”下半身強化で驚異の粘り腰
2017年05月17日 05:30
相撲
この日の懸賞は前日の41本を上回る47本。勢いに乗る26歳との一番に注目度も高かった。ヒヤリとしたかと聞かれると「うん」と答えるしかなかった。「まあ何があるか分からないので。最後までね」。諦めない気持ちが逆転勝ちにつながった。
左上腕付近の負傷により4月の春巡業を全休した。その間は非公開でトレーニングを積み、上半身が使えない分、徹底的に下半身を強化した。1日の番付発表の会見で「下半身は100%」と自負したが、言葉通りに強じんな下半身で残してみせた。
横綱昇進後、平幕との対戦は10度目だったが、またも退けた。負けなしで10連勝としたのは、15日制が定着した1949年夏場所以降に誕生した横綱32人で7人しかいない。この日の朝稽古後には「上位に来るくらいだから、集中してやるだけ」と話すなど慢心はなかった。初顔相手は大関時代の14年秋場所で逸ノ城に敗れたのを最後に10連勝。誰が相手でも全力を出すという信念は好結果につながっているだけでなく、ファンを魅了する要因にもなっている。
まわしに手がかからなくても、しっかりと相手の攻めにも対応できている。「いい状態でやれている。また明日につながる」。万全でなくても言い訳はしない。土俵に上がる以上、横綱の責任を果たすために前を見続けていく。
▼千代の国 苦しかった。(引いたのは)自分の弱い部分。全部が強かった。重かった。(あと一押しが足りず、引いて墓穴。15秒8の熱戦に息も絶え絶え)
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