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元幕下・爆羅騎が引退「我慢、根性を学んだ」新弟子検査時に“背伸び”で話題 11年半の力士人生に幕

2024年05月29日 10:54

相撲

元幕下・爆羅騎が引退「我慢、根性を学んだ」新弟子検査時に“背伸び”で話題 11年半の力士人生に幕
夏場所14日目、現役最後の取組を終えた爆羅騎(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 日本相撲協会は29日、夏場所限りで引退した力士を発表した。既に発表されている元幕内・琴恵光(32=佐渡ケ嶽部屋)の他に、幕下以下12人の引退が新たに発表された。
 西序二段24枚目の爆羅騎(ばらき、30=式秀部屋)は4勝3敗で夏場所を取り終えた。力士人生最後の取組となった14日目の朝勝令戦は、立ち合い勢いよく当たって先手を取って右からいなして送り出しで快勝。「思い切り行って負けたらそれでいい」と全てをぶつけた。取組後は花道で部屋の仲間たちに迎えられ、花束を手に記念撮影。「ようやく戦いが終わった。悔いはないです」と感慨深げに話した。

 埼玉県所沢市出身の爆羅騎は、福岡・希望が丘高を経て式秀部屋に入門し、13年初場所で初土俵。同期生には石浦(現・間垣親方)や阿武咲(現幕内)らもいたが、新弟子検査時に“背伸び”をして当時の体格基準(身長1メートル67以上)を突破した爆羅騎に大きな注目が集まった。新弟子検査では身長1メートル67と公表されたが、のちの身体測定では1メートル62を記録。新弟子検査の体格基準が撤廃されて1メートル60の琴元村(15=佐渡ケ嶽部屋)が夏場所で初土俵を踏むまでは「角界最小兵力士」だった。

 小兵ながら、低い押し相撲を武器に序ノ口、序二段はそれぞれ1場所で突破。13年九州場所では、優勝決定戦で宝千山(現・立田川親方)に敗れたものの三段目で7戦全勝の好成績を収めた。入門から1年で幕下昇進。その後は三段目での一進一退が続いた。

 現役生活一番の思い出に挙げたのは、東三段目8枚目で迎えた18年春場所で勝ち越し、2度目の幕下昇進を決めたこと。「自分がやってきたことが意味のある努力だったと実感できた。もう一度幕下に上がれたことがうれしかった」と述懐した。

 兄は立浪部屋の元幕下・羅王。ともに本名の下の名をしこ名にした兄弟力士としても知られていた。羅王は昨年九州場所限りで引退(引退届は初場所後)。その半年後、30歳になった弟の爆羅騎は「自分の気持ちが切れた。このまま続けてもケガにつながる」と引退を決断した。千秋楽翌日の27日、式秀部屋で断髪式が行われた。

 小さな体で真っ向勝負。9歳から始めた相撲を21年間続け「我慢、根性を学ばせてもらった。度胸も付いた」という。当時身長1メートル62で奇跡的に角界入りを果たし、プロの世界で1日も休むことなく11年半闘い抜いた姿は、大相撲史に確かな足跡を残した。

 ◇爆羅騎 源氣(ばらき・げんき)本名=伊藤爆羅騎。1994年(平6)5月10日生まれ、埼玉県所沢市出身の30歳。入間少年相撲クラブで小3から相撲を始め、小5で関東小学生優勝大会3位。中学卒業後は福岡・希望が丘高に相撲留学し、3年時に国体16強。式秀部屋に入門し、13年初場所で初土俵。同年九州場所では三段目で7戦全勝も、優勝決定戦で宝千山(現・立田川親方)に敗れる。最高位は東幕下58枚目(14年初場所)。通算成績229勝240敗。身長1メートル64、107キロ。兄は元幕下・羅王。


 この日新たに引退が発表された力士は以下の12人。
 ▽幕下
宝香鵬(34=伊勢ケ浜部屋)、大谷(24=伊勢ケ浜部屋)
 ▽三段目
千鵬(21=伊勢ケ浜部屋)、舞蹴(25=二子山部屋)、満津田(29=芝田山部屋)、最上桜(18=式秀部屋)
 ▽序二段
爆羅騎(30=式秀部屋)、望月(28=大嶽部屋)、北勝里(31=八角部屋)、竹丸(22=伊勢ケ浜部屋)、勝桂馬(27=木瀬部屋)
 ▽序ノ口
真富士(17=伊勢ケ浜部屋)

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