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新十両・生田目「実績なくても関取に上がれる」入門から4年半 夢は師匠のしこ名「雅山」襲名

2024年05月29日 15:07

相撲

新十両・生田目「実績なくても関取に上がれる」入門から4年半 夢は師匠のしこ名「雅山」襲名
新十両昇進を決め、会見を行った生田目(左)と師匠の二子山親方(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で名古屋場所(7月14日初日、愛知・ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議を開き、生田目(なばため、22=二子山部屋)と嘉陽(かよう、24=二所ノ関部屋)の新十両昇進が決まった。
 高卒で入門してから4年半。22歳での関取昇進を果たし「自分の中では早かった。あっという間でした」と振り返った。そして「ここがゴールではなくスタート。これから母や師匠、おかみさんへの親孝行の始まりという気持ちを持って、また気を引き締めて頑張ろうと思います」と決意を新たにした。

 春場所は勝てば昇進確実の“入れ替え戦”に敗れて昇進ならず。「悔しい思いがあった」と気合を入れて臨んだ夏場所千秋楽、西十両14枚目で7勝7敗の風賢央との“入れ替え戦”で最高の相撲を取りきって完勝した。「最近で一番良い相撲だった。親も見に来ていたので、喜んでくれる人の顔が脳裏に浮かんだのかな」。勝った直後、土俵上で見せた歓喜の表情が印象的だった。

 親への感謝の思いは人一倍強い。「小さい時にやんちゃだったので離れて暮らしていた」。中高6年間は大田原市の実家ではなく、さくら市にある児童養護施設で生活した。「母の大切さに気付いて、恩返ししたいなという思いが力の源になっている」。関取昇進という一つの恩返しを果たした。

 栃木・矢板高入学後に相撲を始め、わずか1年半で関東高校選抜大会で準優勝するなど活躍。それでも全国大会では高校総体64強が最高実績で、同学年同期の高校横綱・大桑元揮(現三段目・颯富士)やのちの学生横綱・草野直哉(現幕下)らスター選手とは力の差が大きかった。そんな生田目をスカウトした師匠の二子山親方(元大関・雅山)は「高校で実績なかった人が上がるというのは、いろんな意味で部屋に希望を与えた」と愛弟子を称賛。矢板高から初の関取となった生田目は「実績なくても関取に上がれるのを見て、後輩たちが大相撲に入ってくれたらうれしい」と誇らしげに話した。

 突き押しを得意とする生田目は「相撲のスタイルも一緒で、自分の目指すところはここかな」と師匠に憧れている。しばらくは本名のままだが、師匠からは「数場所十両でしっかり務めたら考えようかな」と「雅」の字を入れた改名案も示唆されている。生田目は「夢は師匠の“雅山”を継ぎたい。継げるような力士になるまでは変えないと思います」と大きな夢を語った。

 ◇生田目 竜也(なばため・たつや) 2002年(平14)2月22日生まれ、栃木県さくら市出身の22歳。栃木・矢板高入学後に相撲を始め、2年時に全国高校総体64強、関東高校選抜大会無差別級準優勝。3年時に全国高校総体64強。二子山部屋に入門し、20年初場所で初土俵。21年名古屋場所で幕下昇進。身長1メートル77、152キロ。

 ◇嘉陽 快宗(かよう・やすとき) 1999年(平11)7月14日生まれ、沖縄県那覇市出身の24歳。千葉県市川市で育ち、市川市相撲教室で小4から相撲を始める。新潟・能生中へ相撲留学し、海洋高2年時に全国高校選抜十和田大会団体優勝(先鋒で出場)。日体大2年時に全国学生体重別135キロ未満級8強。3年時に全国学生体重別135キロ以上級8強。4年時に東日本学生体重別135キロ以上級3位、全国学生体重別135キロ以上級準優勝、全国学生選抜大会8強、全国学生選手権8強、全日本選手権8強。日体大を卒業後、二所ノ関部屋に入門。三段目最下位格付け出しで22年夏場所初土俵。身長1メートル71、体重156キロ。

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