市原 18年目で初V 14番4差から大逆転!

2018年06月04日 05:30

ゴルフ

市原 18年目で初V 14番4差から大逆転!
逆転で初優勝し祝福される市原(撮影・西川祐介) Photo By スポニチ
 【男子ゴルフツアー日本ツアー選手権森ビル杯 ( 2018年6月3日    茨城県笠間市 宍戸ヒルズCC西C 7384ヤード、パー71 )】 大どんでん返しだ!!プロ18年目の市原弘大(36=フリー)が、国内メジャーの舞台でツアー初優勝を飾った。5打差の5位から出て終盤の4ホールで3バーディーと猛追。最終18番でチップインバーディーを決め、66の通算12アンダーで劇的な逆転劇を演じた。首位でスタートした時松隆光(24=筑紫ケ丘GC)は、18番でボギーを叩いて72と落とし、1打差の2位に終わった。
歓喜の涙が祝福の水シャワーと入り交じった。市原の逆転優勝が決まった瞬間、師と仰ぐ谷口徹や木下裕、武藤らツアー仲間のペットボトルの水が四方から飛んできた。その横には、3歳の時にゴルフを手ほどきしてくれた父・邦夫さん(67、写真)の姿もあった。

 「周りのみんなが喜んでくれているのを見て、うるっときました。まさか谷口さんまで来てくれるとは思わなかったので光栄でした」。プロ18年目でようやくつかんだツアー初V。「まだ実感が湧きません。これから大変なことになりそうだなと思います。5年シードに恥じないゴルフをしないといけない」とタイトルの重みを実感していた。

 劇的なフィナーレだった。首位に1打差で迎えた18番。第2打をグリーン奥に外し、ボールはギャラリースタンド根元まで転がった。だが、救済措置でピンを狙えるドロップエリアから打てる運もあり、ピンまで15ヤードのアプローチを58度のSWでねじ込みチップイン。「欲はなかった。寄ればと思っていました」

 高校時代に日本ジュニアを制し注目されてプロ転向。だが、パターイップスや腰のヘルニアに苦しみ優勝のチャンスに恵まれなかった。昨年は左手親指の付け根の痛みにも悩まされ、シード権も失った。転機となったのが5月の日本プロでメジャー最年長優勝を飾った谷口のプレーを間近で見たことだ。自身は予選落ちしていたが、最終日のコースに駆けつけて応援。「谷口さんは(優勝争いをしていても)歩き方がいつも一緒だった。それでいて気合が入っていた。自分も見習ってカリカリしたり、早歩きしないようにした。ミスをしても“しょうがない”と引きずらないようにした。それがこの試合にも生きました」と振り返った。そんな弟分の優勝を谷口は「奇跡が起きたな」と心から喜んだ。

 この優勝で賞金ランクは2位となり、2年ぶり3度目の全英オープンの出場資格も得た。「まさか行けるとは思っていなかったので楽しみです。ただ、まずは次のダンロップ・スリクソン福島に向けて気持ちを切り替えることが大事だと思っています」と苦労人らしく謙虚に話した。

 ◆市原弘大アラカルト

 ☆生まれ 1982年(昭57)5月29日生まれ、東京都出身の36歳。1メートル71、78キロ。

 ☆ゴルフ歴 3歳で始め、埼玉平成高3年時に日本ジュニアで優勝。01年にプロ転向し、アジアンツアーに挑戦するが“パターイップス”になり撤退。03年に2部ツアーのカニトップ杯でプロ初V。10年に賞金ランク58位に入り、プロ10年目で初めて賞金シードを獲得。その後復活するも12、13、17年とシードから陥落。今季は予選会10位でツアーの出場権を獲得。

 ☆誕生日ウイークに活躍 大会練習日の29日が誕生日。一昨年はその週のミズノオープンで2位に入り、全英オープンの出場権を獲得。その年の全英では2度目の挑戦で予選を通過。「誕生日の週は意外と相性がいいかも」

 ☆クラブを自腹で購入 量販店にボールやクラブを自ら買いに行く。自腹で買ってテストし、相性がいいものを契約メーカーに注文。「メーカーからいただくと忖度(そんたく)しなきゃいけないじゃないですか。意外と面倒くさい男なんです」

 ☆長尺パター 22、23歳の頃から使用。アンカリングの規制が入る前に2年間やめていたが2年前から復活。「距離感やフィーリングが合う。グリップがボロボロでもう交換しようと思っていたが、これで勝てたしどうしようかな」

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