野口 3連勝で通算21勝目 最多記録にあと1勝 目を潤ませ「出し切った」
2018年06月04日 05:30
スポーツクライミング
W杯第3、4戦を連勝し「改善点が見当たらない」という状態で臨んだ今大会は、準決勝で全4課題を一撃。決勝は第2課題で2度失敗すると、両手を振り上げ2453人の観客をあおった。「凄く疲れてしまって、皆さんのパワーをもらわないと登れないと思った」。3度目のトライでクリア。最終第4課題は先に試技を行った野中が一撃で重圧をかけてきたが、冷静に攻略した。
10年前の08年に初めてW杯を制し、積み上げたタイトルは今大会で21。「毎年ライバルも違うし、クライミングが進化している。その中で勝つのは大変」と言いながら、シュテールが持つ22勝の最多記録に王手をかけた。「(22勝は)新しい目標になっている」と話しており、次戦で並ぶつもりだ。
20年東京五輪は、ボルダリングにリードとスピードを加えた3種目の複合で実施される。代表に決まっているアジア大会(8〜9月、インドネシア)、代表入りが決定的な世界選手権(9月、オーストリア)では複合での金メダルが目標。「他の種目も、ボルダリングくらい安定した選手になりたい」。完全無欠のクライマーになって、黄金の夢を追う。
◆野口 啓代(のぐち・あきよ)1989年(平元)5月30日生まれ、茨城県出身の29歳。小学5年でクライミングに出合い、地元で本格的に競技を始める。08年にボルダリングW杯で初優勝し、これまで年間優勝が4度。リードでも16年のW杯で2位、17年は日本選手権を制した。1メートル65、49キロ。
○…惜しくも2位だった女子の野中は「決勝では力を出し切った」と満足感を口にした。3完登は優勝した野口と同じ。差はわずか1度のトライ数だった。野口とともに日本代表を引っ張る21歳の野中は東京五輪に向け「日本でやることの意味は分かっている」と闘志を燃やした。また、今季からW杯に参戦している16歳の伊藤は初めて決勝の舞台に立った。表彰台には届かず6位だったが、世界のトップ選手と競い合い「雰囲気が全然違った」と声を弾ませた。
▼スポーツクライミング ボルダリングは壁に付いたホールド(突起物)を手掛かり、足掛かりにして複数の課題(コース)に挑み、完登した数を競う。完登数が同じ場合はゾーン(各課題に定められた高度)獲得数で順位を決定。まだ同数の場合は完登に要したトライ数、次にゾーン獲得に要したトライ数を優先する。リードは登った高さ、スピードは登る速さを競う。20年東京五輪は男女各20人が出場し、3種目を1人で行う複合で争う。
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