錦織「ちょっと変な試合」足かせとなった自分への期待
2018年06月04日 06:39
テニス
第1セット第6ゲームからは9ゲームを連取されて、セットカウントは一気に0―2となった。それでも「ちゃんと調子が戻れば大丈夫」と自分に言い聞かせていたという。「もう少しじっくりプレーすることを心がけた」という第3セットからは互角の戦いだっただけに、その考えは間違いではなかった。
しかし第2セットに第1サーブ成功率が92%をマークするなど、試合を通じて安定していたティエムのサーブは最後まで崩せなかった。「入れにいっているサーブでもないのに確率がずっと高かった。珍しいっちゃあ珍しい戦いではあった」。そこに4大大会100戦以上の経験を持つ錦織でも感じたことのない試合の流れがあった。
勝ったティエムは「第3、第4セットは五分五分だったけど、2―0とリードしていたのが大きなアドバンテージになった」と勝因を語った。精神的優位はサーブの確率にも影響したはずだった。試合を大きく左右した序盤の出遅れ。錦織は「理由は自分でもよく分からない」と首を振った。「気持ちはポジティブで自信もあった。緊張して動けないわけでもない。でも動き方を思い出すと緊張しているような…」
錦織にとっては右手首の故障から復帰して久々の4大大会でもあった。緊張感でないとしたら、足かせとなったのは「誰に対しても勝てるチャンスはある」と言ったほどの自信と期待の大きさか。2年連続の8強入りはならなかったとはいえ、クレーシーズンで取り戻したその自信は揺らいでいない。だが復活の実感と4回戦敗退の結果を天秤にかければ…。「この大会自体を考えるともう少しいきたかった」。結果は悔しさの方に大きく傾いた。
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