荒磯親方、21番20勝!夏場所に向けて弟弟子高安へ後押しの闘魂注入

2019年05月03日 05:30

相撲

荒磯親方、21番20勝!夏場所に向けて弟弟子高安へ後押しの闘魂注入
右上手を引きつけ、高安(右)を攻める荒磯親方 Photo By スポニチ
 1月の初場所で引退した元横綱・稀勢の里の荒磯親方(32=田子ノ浦部屋)が“最強の稽古相手”になった。2日は東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で弟弟子の大関・高安(29)と三番稽古で21番続けて取り、20勝1敗と圧倒。高安の相手を務めるために引退後も鍛え続け春場所前よりも力強さが増した。夏場所(12日初日、両国国技館)で初優勝を狙う高安にとって、心強い稽古相手となる。
 引退から4カ月近くたっているとは思えない迫力だった。同じ左四つの高安に対し、荒磯親方は右足から踏み込んで胸で当たると、すぐに右上手をつかんだ。まわしを引きつけると一気に前に出た。後退する場面はほとんどなかった。現役大関相手に20勝1敗。寄り切られた一番も右からの上手投げで攻めており際どい勝負だった。

 「巡業では全力で取る力士はなかなかいない。だから自分ぐらいは、と思って体を準備してきた」。高安の相手を務めるため、4月は部屋で四股、すり足などの基本運動を続けていた。結果、春場所前に高安の稽古相手を務めた時よりも、力強さが増していた。

 高安は勝負にこだわらず「思い切って当たって前に出る」ということを狙いにしていた。だが、なかなか前に攻めさせてもらえず「左四つは天下一品」と改めて元横綱の力強さを思い知らされた。悲願の初優勝を狙う高安にとって、荒磯親方が最強の稽古相手になっていることは心強い限り。「勝てない自分もおかしいけど、力強い方ですから。それで勝ち越せるようになれば、本場所では誰にも負けない。胸を貸していただけるのは幸せ。期待に応えられるように精進したい」と気持ちは前を向いている。

 6日に横綱審議委員会稽古総見、7、8日に二所ノ関一門連合稽古が控えているが、それ以外は2人での稽古を続けるもようだ。「全て出し切る稽古を重ねる。稽古は裏切らないので」と意気込む高安に対し、荒磯親方も「明日からもやりますよ」と気合十分だ。稽古場を大事にして横綱まで昇進した兄弟子が、今度は弟弟子を最高位へと導いていく。

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