母と同じ涙の2位が成長の出発点 卜部、女子800制し23年ぶり中距離2冠
2019年07月01日 05:40
陸上
![母と同じ涙の2位が成長の出発点 卜部、女子800制し23年ぶり中距離2冠](/sports/news/2019/07/01/jpeg/20190701s00056000106000p_view.jpg)
「1500メートルの感覚が残っていたので、スタートで出遅れると思った。持ち味は持久力だと思っていた。無我夢中で最後まで走り抜けたと思う」
母の由紀子さん(54=旧姓田島)は、日本選手権の1500メートルで2位になったトップランナーだった。昨年、娘も同種目で2位。0秒20の僅差で敗れた。
「母も胸の差で負けたらしくて。だから、私の結果に涙を流して。その母の涙を見て、悔しさが伝わった」
小学生のころ、自宅から国立競技場界隈まで3キロの道のりを、母と一緒に走って、陸上教室に通った。歩き始めたときに手を支えてくれたように、走ることを始めた時も、すぐ隣で見守ってくれた。陸上についての技術や心得も、これまでいろいろと教えてくれたはずだが、記憶に残っているのは、そんな温かい記憶だ。
昨年、母と同じ「胸の差の2位」の悔しさを味わった。この1年は「練習で走る距離を倍以上に増やした」。その成果は母子の悲願だった日本一、それも2冠になって表れた。
父・昌次さん(53)は中大で箱根駅伝を走った。現在は東京・保善高校で陸上部顧問を務める。陸上一家に生まれたサラブレッドは「(家族に)世界で活躍する姿を見せたい」と、1500メートルで海外の強敵に挑むことを、最大の目標にしている。
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