渋野日向子 単独首位に「夢かな」2位に3差 全英OP以来日本人初メジャー2冠へ
2020年12月13日 05:30
ゴルフ
「夢かなと思いました。今のうちに写真を撮っておきたい(笑い)。ゴルフの内容も濃くて、去年の全英よりもいいゴルフをしているなと思います」
出だしの1番でピン上5メートルのチャンスを沈め「“ありゃ”と思った」と幸先良く滑り出した。6番でも5メートルのバーディーパットを決めて、単独首位に浮上。後半はさらに勢いが増す。15番でグリーン左カラーから5メートルをパターで沈めてバーディー。16番でボギーを叩いたが、続く17番では代名詞のバウンスバックに成功した。この日のパット数は28。「パットがここまで良いのは久しぶり。120点です!」と声を弾ませた。
昨季の日本ツアーでの平均パットは1・758で2位。武器にしていたが、今季は1・813と不調が続いた。転機は先月中旬の伊藤園レディースだった。スタンスを広げると、試合を重ねるごとにフィーリングが向上。今は「今年一番、自信がある」。2日間のパーオン率で全体2位と好調のショット面では、パットのラインを考えて狙うマネジメントが光る。果敢にピンを攻めていた全英から進化し「大人になっている」。状態を上げたパット、好調のショット、さらにマネジメント。それが世界最高峰の舞台でかみ合い、3打差となった。
初出場初制覇を視界に捉えた22歳の快進撃に、海外メディアも大きく反応した。米紙「USA TODAY」は「スマイリングシンデレラがメジャーでトップに帰ってきた」と報じ、米AP通信も「渋野の3打リードはもはや驚きではない」と世界に伝えた。LPGA公式サイトは「シンデレラストーリーのハッピーエンド第2章が近づいている」と紹介した。
新型コロナウイルスの影響で6月から12月開催に変更された、メジャー随一の格式を誇る伝統の大会。日本人初のメジャー2冠へ、これ以上ない舞台が整った。「一番上にいる奇跡を楽しんでもらえたら」。特別な一年の締めくくりは、サンタクロースではなく、シンデレラが夢を届けてくれる。
《予選3差以上リードは…》渋野は昨年の比嘉真美子に次ぐ日本勢2年連続の首位ターン。予選首位による優勝は14年のミシェル・ウィー(米国)が最後で、最近5年間は決勝ラウンドで逆転している。予選36ホールで3差以上のリードをつけたのは03年のマイリ・マッカイ(スコットランド、4差リードも6位)以来となり、2000年以降では渋野で6人目。過去5人のうち優勝は、カリー・ウェブ(オーストラリア)とウィーの2人となっている。
《19年全英VTR~スマイリングシンデレラ誕生~》
★第1R 海外初ラウンドで66をマークし1打差2位発進。「な~んてこった!出来過ぎのスコアで正直びっくり。120点ですね」。海外メディアにも囲まれた。
★第2R 69で2位キープし、殺到する海外メディアに「とってもハッピー、ベリーハッピー」と笑いを誘う。女性リポーターから「あなたはいつも笑っているように見える。スマイリングシンデレラね」と命名された。
★第3R 67で首位に立つ。大会公式ツイッターは「ヒナコ・シブノが14アンダーで2打差にリードを広げる。素晴らしい」と絶賛。大会公式サイトでも特集を組み「彼女の名前がリーダーボードのトップにあるのは衝撃的」と紹介した。
★最終R 18番のバーディーで日本人42年ぶりのメジャー制覇。英ガーディアン紙は「スマイリングシンデレラが迎えたおとぎ話のような結末」などと報じた。公式会見では「言葉にできないくらいうれしいのと、おなかがすいたのと、吐き気がします」としぶこ節を爆発させ、海外メディアの爆笑を誘った。
おすすめテーマ
2020年12月13日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
阿部が丸山との世紀の死闘を制し五輪代表に 「凄い、長い戦い。やっと…」 柔道東京五輪男子66キロ級
-
服部道子氏 渋野はアプローチの引き出し増え、心も良い状態 最終日は忍耐勝負
-
普段から練習試合を行う両校が引き分け抽選決着 流通経大・内山監督「延長で勝敗を決めるのがいい」
-
茨城ダービーは死闘の末に引き分け、抽選で流通経大がベスト8進出
-
関学大が31度目V 日大との30度目の頂上決戦 2年前の「反則タックル」を経た因縁の相手
-
萱和磨が個人総合初優勝、鉄棒着地止め勝利確信の雄叫び
-
京産大は2年前に続いて慶大に完敗、フランカー三木皓正は兄弟対決に敗れる
-
日大が108得点で福岡工大に圧勝 トゥポウが4トライの活躍 関東大学リーグ
-
国士舘大・ヴィンセント雪辱誓う 靴紐対策も万全「自己ベストで区間賞を」
-
内村航平は鉄棒H難度決めて15・700点、予選の15・533点超え
-
植草歩が3回戦負けの波乱 約10カ月ぶり実戦で「かみ合わず」全日本空手道選手権
-
ラプターズの渡辺雄太がプレシーズン初戦に出場 ホーネッツ戦で5得点&4リバウンド
-
渋野日向子、メジャー2冠王手 快挙へ「目の前の1打に集中」 「明日も1番上で終われるとうれしい」
-
渋野日向子、耐えるゴルフ「長かった」「宙に浮いている感じ」 単独首位キープで「奇跡的にまだ1番上」
-
渋野日向子 単独首位守り最終日へ「明日も自分らしく頑張りたい」 2位と1打差 全米女子オープン第3R
-
丸山城志郎VS阿部一二三 過去の柔道ライバル物語は…
-
柔道男子66キロ級“歴史的”代表決定戦!丸山VS一二三、注目の一戦3つのポイント
-
村上茉愛 個人総合2年ぶり奪冠 跳馬で完璧チュソビチナ決め15・200点「自分で褒めたい」
-
畠田瞳が2位 妹・千愛を逆転も「余裕のある演技できなかった」
-
相馬“大健闘”3位 全日本初出場の15歳「うれしかった」
-
松島、公式戦では昨年W杯開幕戦以来のハットトリック!欧州クラブ王者へ好発進
-
日大が“赤いカーテン” 宿敵・関学大と13日に激突
-
渋野日向子 単独首位に「夢かな」2位に3差 全英OP以来日本人初メジャー2冠へ
-
しぶこ節全開!「バーディーの時の“し~ん”はかなり寂しい」
-
服部道子氏 渋野の強さ分析…「心」「パット」「めぐり合わせ」全米初制覇の可能性は「低くない」
-
笹生優花 5差6位に満足「楽しくラウンドできた」
-
畑岡奈紗 36位に後退「イチかバチか攻めるしかない」
-
原英莉花は予選落ち 通算19オーバー 初挑戦海外メジャーの洗礼
-
大坂なおみ、黒人少年名入りマスク姿を公開
-
48歳葛西、W杯遠征メンバー復帰を目指すも7位「2本ともダメ。減量しすぎてエネルギーがなかった」
-
ジャンプW杯、佐藤幸は6位 小林陵侑は出遅れ19位
-
W杯モーグル第2戦、女子16歳川村2位 昨季開幕戦以来の表彰台
-
スポクラ“五輪選考打ち切り” CAS提訴棄却受け入れ男女4人決定
-
元大関琴奨菊・秀ノ山親方、佐渡ケ嶽部屋で指導「本質を引き出す」
-
女子64キロ級・安藤美希子が優勝 ジャークで日本記録 重量挙げ全日本選手権
-
昨年の世界女王・森ひかる トップで予選通過 トランポリン・ジャパンオープン
-
JT広島、2連覇へ4強進出 全日本バレーボール男子
-
WADA コロナワクチン接種に関する声明発表「規定違反の根拠なし」
-
サーフィン CT開幕戦がコロナで中断 スタッフに陽性反応者
-
東京パラ内定の浅野俊&竹守彪、ともに予選1位突破 パラ卓球ジャパン・チャンピオンシップ