渋野日向子 単独首位に「夢かな」2位に3差 全英OP以来日本人初メジャー2冠へ

2020年12月13日 05:30

ゴルフ

渋野日向子 単独首位に「夢かな」2位に3差 全英OP以来日本人初メジャー2冠へ
第2ラウンド、通算7アンダーでホールアウトし笑顔の渋野日向子 Photo By 共同
 【米女子ゴルフツアー 全米女子オープン第2日 ( 2020年12月11日    テキサス州 チャンピオンズGC(サイプレスクリークC=6731ヤード、ジャックラビットC=6558ヤード、いずれもパー71) )】 1打差2位からジャックラビットCを回った渋野日向子(22=サントリー)が6バーディー、2ボギーでこの日のベストスコアとなる67をマークし、通算7アンダーで単独首位に立った。2位のアマチュア、リン・グラント(21=スウェーデン)とは3打差。昨年8月に初出場でAIG全英女子オープンを制して誕生した「スマイリングシンデレラ」が、再び初出場の大舞台で輝きを放っている。
 同じ光景だ。単独首位でホールアウト後、米国の中継局のインタビューや現地メディアからの取材に笑顔で答える姿があった。全英を制して「スマイリングシンデレラ」と呼ばれ、世界を驚かせてから約1年半。再び渋野が、メジャーの大舞台でリーダーボードのトップに立った。

 「夢かなと思いました。今のうちに写真を撮っておきたい(笑い)。ゴルフの内容も濃くて、去年の全英よりもいいゴルフをしているなと思います」

 出だしの1番でピン上5メートルのチャンスを沈め「“ありゃ”と思った」と幸先良く滑り出した。6番でも5メートルのバーディーパットを決めて、単独首位に浮上。後半はさらに勢いが増す。15番でグリーン左カラーから5メートルをパターで沈めてバーディー。16番でボギーを叩いたが、続く17番では代名詞のバウンスバックに成功した。この日のパット数は28。「パットがここまで良いのは久しぶり。120点です!」と声を弾ませた。

 昨季の日本ツアーでの平均パットは1・758で2位。武器にしていたが、今季は1・813と不調が続いた。転機は先月中旬の伊藤園レディースだった。スタンスを広げると、試合を重ねるごとにフィーリングが向上。今は「今年一番、自信がある」。2日間のパーオン率で全体2位と好調のショット面では、パットのラインを考えて狙うマネジメントが光る。果敢にピンを攻めていた全英から進化し「大人になっている」。状態を上げたパット、好調のショット、さらにマネジメント。それが世界最高峰の舞台でかみ合い、3打差となった。

 初出場初制覇を視界に捉えた22歳の快進撃に、海外メディアも大きく反応した。米紙「USA TODAY」は「スマイリングシンデレラがメジャーでトップに帰ってきた」と報じ、米AP通信も「渋野の3打リードはもはや驚きではない」と世界に伝えた。LPGA公式サイトは「シンデレラストーリーのハッピーエンド第2章が近づいている」と紹介した。

 新型コロナウイルスの影響で6月から12月開催に変更された、メジャー随一の格式を誇る伝統の大会。日本人初のメジャー2冠へ、これ以上ない舞台が整った。「一番上にいる奇跡を楽しんでもらえたら」。特別な一年の締めくくりは、サンタクロースではなく、シンデレラが夢を届けてくれる。

 《予選3差以上リードは…》渋野は昨年の比嘉真美子に次ぐ日本勢2年連続の首位ターン。予選首位による優勝は14年のミシェル・ウィー(米国)が最後で、最近5年間は決勝ラウンドで逆転している。予選36ホールで3差以上のリードをつけたのは03年のマイリ・マッカイ(スコットランド、4差リードも6位)以来となり、2000年以降では渋野で6人目。過去5人のうち優勝は、カリー・ウェブ(オーストラリア)とウィーの2人となっている。

 《19年全英VTR~スマイリングシンデレラ誕生~》
 ★第1R 海外初ラウンドで66をマークし1打差2位発進。「な~んてこった!出来過ぎのスコアで正直びっくり。120点ですね」。海外メディアにも囲まれた。

 ★第2R 69で2位キープし、殺到する海外メディアに「とってもハッピー、ベリーハッピー」と笑いを誘う。女性リポーターから「あなたはいつも笑っているように見える。スマイリングシンデレラね」と命名された。

 ★第3R 67で首位に立つ。大会公式ツイッターは「ヒナコ・シブノが14アンダーで2打差にリードを広げる。素晴らしい」と絶賛。大会公式サイトでも特集を組み「彼女の名前がリーダーボードのトップにあるのは衝撃的」と紹介した。

 ★最終R 18番のバーディーで日本人42年ぶりのメジャー制覇。英ガーディアン紙は「スマイリングシンデレラが迎えたおとぎ話のような結末」などと報じた。公式会見では「言葉にできないくらいうれしいのと、おなかがすいたのと、吐き気がします」としぶこ節を爆発させ、海外メディアの爆笑を誘った。

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