【砂村光信の目】日本のD組は最も厳しい組だ、早急に強化計画確立を

2020年12月14日 23:17

ラグビー

【砂村光信の目】日本のD組は最も厳しい組だ、早急に強化計画確立を
パリで行われたラグビーW杯フランス大会の1次リーグ組み合わせ抽選会。日本はD組に入った(AP) Photo By AP
 【23年ラグビーW杯1次L組み合わせ抽選 】 組み合わせ全体を見ると、A組はニュージーランドと地元フランスの2強、B組は南アフリカが頭1つ抜けてアイルランドとスコットランドの2位争いで、オーストラリアとウェールズのC組は優勝候補がいない割と楽なグループ。日本のD組はオセアニア1位でサモアかトンガ、米大陸2位でカナダも入ってくるとみられ、やはり最も厳しい組だ。
 イングランドは日本を知り尽くすエディーが弱点を徹底的に分析してくるはずだ。SO/CTBファレル主将やロックのイトジェら現在の主力は30代が少なく、準優勝した昨年のW杯とほぼ同じメンバーが予想される上に、エディーは日本代表でもマフィを抜てきしたように若手の発掘も巧みだ。万全の状態で臨まないと勝てない相手だけに、日本は試合順や前の試合との間隔が十分に空いているかもカギ。フランスは国土が広く移動にも時間がかかるので、コンディションを保つためにも合宿地の選定など大会前の準備が本当に大切となる。

 アルゼンチンとはこれまで交流が少なく、今後は情報をいかに仕入れるかの勝負となる。スクラムをはじめFWがとにかく強くて守りが堅く、ラテン系らしいひらめきのプレーも特徴だ。ラグビーは荒っぽいが、アイランダーのチームとは少し異なり、相手を挑発して退場させるようなこともしてくる。主将のマテラは統率力が抜群で、荒っぽくなった際にチームの引き締めができる選手。SOサンチェスはキックの精度が相当高いだけに自陣でのペナルティーは厳禁だ。ただし、一発勝負には強いが調子の波も大きいので、ここも試合順が重要だ。

 アルゼンチンと日本には因縁もある。新ルールでは代表取得に必要な居住期間が3年から5年に変わるが、元アルゼンチン代表のピチョット氏がワールドラグビー(WR)副会長時代に提案したもので、その際に「日本のために」と話している。海外出身選手に頼る部分がまだ大きい日本代表に対し、日本出身選手が多くなるように成長を促したものとみられ、ほとんどが自国の選手で占められるアルゼンチン代表とは対照的とも言える。その意味でも興味深い対戦だ。

 イングランド、アルゼンチンともにハイレベルな国際試合を既に戦っている。23年W杯出場を決めている12チームのうち、今年まだ国際試合を戦っていないのは南アフリカと日本だけ。代表活動で大きく出遅れている日本は、厳しいW杯にしないためにも早急に強化計画を確立することが望まれる。(元U―23日本代表監督)

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