ラグビーの釜石は負けない 震災10年に近鉄から「鎮魂と勇気」の2トライ「これからも発信を」

2021年03月13日 17:03

ラグビー

ラグビーの釜石は負けない 震災10年に近鉄から「鎮魂と勇気」の2トライ「これからも発信を」
釜石鵜住居復興スタジアムで。(左から)佐伯悠さん、浜登寿雄さん、長田剛さん、伊藤剛臣さん Photo By スポニチ
 【ラグビー・トップチャレンジリーグAグループ   釜石シーウェイブス15-36近鉄 ( 2021年3月13日    釜石鵜住居復興スタジアム )】 釜石シーウェイブスRFCは13日、釜石鵜住居復興スタジアムで近鉄と対戦。この試合は、YouTube公式チャンネル「ラグビーのまち釜石」でライブ配信され、釜石シーウェイブスRFCは15―36で敗れた。
 東日本大震災で甚大な被害に見舞われた釜石市。死者、行方不明者は1000人を超える。2011年3月11日――。あれから10年の歳月が流れた。釜石シーウェイブスRFCにとって今年最初で最後の地元開催。この試合を特別な思いで見つめる人がいた。釜石ラグビー応援団の浜登寿雄副団長(52)だ。

 「われわれにとって3月は特別な月なのです。特別な場所で、特別な思いで試合が開催されるのはありがたいことです。亡くなられた方に鎮魂の祈りを届けることができればと。釜石にはラグビーの力があります。釜石から元気や勇気を届け、これからも発信を続けていくことができればと思っています」

 震災当時、浜登さんの自宅は津波で流され、夫人らも行方不明になった。言葉では言い表せない辛い経験。その痛みを楕円球が少しだけ和らげてくれたのかもしれない。ラグビーW杯では釜石での開催招致にも尽力した浜登さん。「あっという間の10年でした。大変辛く、苦しい思いばかりでしたが、今振り返ると、いつもラグビーがそばにありました。仲間も寄り添ってくれました。つながりや絆を感じますし、仲間に感謝感謝です」と率直な思いを明かした。

 この試合でゲスト解説を務めたのは、かつてトップリーグの神戸製鋼や釜石シーウェイブスRFCで活躍した元日本代表FWの伊藤剛臣氏(49=法大ラグビー部FWコーチ)だ。釜石シーウェイブスRFCのアンバサダーも務める伊藤氏の思いも浜登さんと重なる。伊藤氏は「あれから10年が経ちましたが、10年は節目じゃないと思っています。釜石との付き合いは一生涯続く。ラグビーで釜石を盛り上げていきたい気持ちは変わりません」と言葉に力を込めた。

 2011年から釜石シーウェイブスRFCで3年間主将を務めた佐伯悠さん(35)もゲスト解説を務めた。「あっという間の10年でしたね。何かが終わるわけでも変わるわけでもありません。さらに10年、20年と続いていくし、これからが大事だと思います」。当時はフランカーとしてチームを引っ張ったが、現役引退後はボランティアスタッフとして後方からチームを支えている。

 雨が降る中、強豪の近鉄を相手に2トライを返す粘りを見せたが、一歩及ばなかった。伊藤氏は「敗れはしましたが、素晴らしい試合を見せてくれた」と両軍の健闘を称えていた。

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