【全国高校ラグビー注目選手・SH編】レベル高い当たり年!長崎北陽台・川久保、茗渓学園・高橋らに期待

2021年12月24日 05:30

ラグビー

【全国高校ラグビー注目選手・SH編】レベル高い当たり年!長崎北陽台・川久保、茗渓学園・高橋らに期待
長崎北陽台・川久保瑛斗
 【若手の発掘、育成担当する日本協会・野沢武史リソースコーチに聞く 】 第101回全国高校ラグビー大会が27日に大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。決勝は8日。次の100回への第一歩となる今大会は、いわば高校ラグビーにおける新世紀の幕開け。新しい息吹を感じさせる人、監督、チームを3回にわたって取り上げる。第1回は、元日本代表フランカーで、現在は若手の発掘、育成を担当する日本協会の野沢武史リソースコーチ(42)に、現代ラグビーで鍵となるポジション、SHの注目選手を聞いた。
 今大会はSHの当たり年だ。今回ピックアップした選手(別掲表)はそれぞれ持ち味が異なり、個性を楽しめる。長崎北陽台の川久保と茗渓学園の高橋は、“飛び級”で20歳以下日本代表候補にも選ばれた。レベルが高い選手たちが、花園を盛り上げるだろう。

 現代ラグビーは、SHの役割が増している。特にキックの技術を、以前よりも求められるようになった。ハイパントはSOではなく、SHを起点とするケースが一般的になった。ボールを奪い返した直後、相手の背後にできたスペースに蹴る技術も必要になる。パス、運動量、戦術眼も欠かせず、マルチな能力が問われている。

 守備も重要だ。試験的ルールの50:22が導入されたことで、相手のキックに備えるために、守備側はWTB2人とFBの3人を深く下げるようになった。従来はWTBのどちらかが下がり、2人で最後列を守っていた。

 3人が深く守るようになり、最前列のディフェンスラインとの間に、大きなスペースができるようになった。相手が狙ってくるのはそこだ。ディフェンスライン裏側への短いキックや、密集周りをこじ開けようとパワープレーを仕掛けてくる。抜かれて大ピンチになるかどうかは、SHの力量次第。危機管理能力と、FWを止められるだけの体の強さが必要だ。

 一般的に、SHはパスで味方を動かすことがメインだが、現代の役割は多岐にわたる。SHが力を発揮したチームが勝ち進むはずだ。(元日本代表、日本協会リソースコーチ)

 ○東海大大阪仰星 SH 石田 太陽(3年)167 70 自ら仕掛けられる能力は抜群
 ○桐蔭学園    SH 小山田裕悟(3年)170 70 危機管理能力が高くクレバー
 ○大阪桐蔭    SH 杉山 雅咲(3年)170 75 体の強さで9人目のFWをこなす
★○長崎北陽台   SH 川久保瑛斗(3年)160 70 スピードで相手をきりきり舞い
★○茗渓学園    SH 高橋佑太朗(3年)172 72 優れた運動量と高速のパスさばき
  御所実     SH 山本 晴大(3年)163 68 強気な攻・守・パスで万能タイプ
 ○常翔学園    SH 田中 景翔(2年)169 69 ハイパントの正確さでチャンスメーク
※★は20歳以下日本代表候補。○は高校日本代表候補


 ▽50:22 攻撃側が自陣から蹴って、そのボールが相手陣22メートルより内側でバウンドしてタッチラインを割った場合、攻撃側のラインアウトで再開する。自陣からのキック1本で、チャンスをつくり出せるようになった。

 ◇野沢 武史(のざわ・たけし) 1979年(昭54)4月24日生まれ、東京都出身。激しいタックルと豊富な運動量を持つフランカーとして活躍。慶応高で花園出場、慶大で全国制覇。02年に神戸製鋼入りし、08年に引退。日本代表4キャップ。引退後は高校、大学ともに母校でコーチを務めた。分かりやすくて深いテレビ解説が人気で、著書もある。家業でもある歴史教科書の老舗「山川出版社」の代表取締役。現役時代は1メートル70、100キロ。

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