鈴木 巻き返し5位入賞、男子大回転座位 故郷・東北へ滑りで思い表現
2022年03月11日 05:30
アルペンスキー
震災が起きた日、当時大学4年だった鈴木は埼玉からスキーの合宿へ向かう直前だった。家族思いのため、実家を心配し「向かおうか」と電話すると、母・弘子さんから「埼玉にいなさい」と止められたという。14年ソチ以降は4年に1度、パラ期間中に3月11日を迎え、特別な思いを抱いて過ごしてきた。
残る種目は、大会最終日となる13日の回転のみ。同種目は14年ソチで金メダルを獲得した得意種目だ。ここまで今大会のアルペンスキー座位男子のメダルは森井の銅2個だけ。仲間からは「最後はお前が決めてくれ」と託された。北京ラストレース。「ジャパンチームみんなでメダルを狙っていきたい」。有終の美で、東北にも吉報を届ける。
◇鈴木 猛史(すずき・たけし)1988年(昭63)5月1日生まれ、福島県出身の33歳。猪苗代高―駿河台大。小学2年のときに交通事故の影響で両大腿を切断。小学3年でチェアスキーを始めた。98年長野大会がきっかけでパラリンピックを目指すようになった。パラには06年トリノ大会で初出場。14年ソチ大会では回転で金メダルを獲得した。KYB所属。
《5大会連続出場、小池14位も“納得”》5大会連続出場の小池は男子大回転立位14位で入賞を逃したが「全力でチャレンジできたことは良かった」と納得の表情だ。気温も上昇し、雪質も大会期間中に大きく変化しており「いつものパラ(の季節)が来たなっていう感じ」と笑った。残る種目は、13日の回転のみ。今大会の締めくくりへ「応援してくれる皆さんが元気になるような、ガッツあふれる滑りをしたい」と意気込んだ。
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