報徳学園 高校3冠&初Vへ王手 一人も退部者なしで頂点まであと一歩 “幻の決勝”カード東福岡と激突
2023年01月06日 06:00
ラグビー
「絶対にトライを取られたらダメだと思ったので。あそこで取られたら流れが変わる。死ぬ気で守りました」
殊勲の背番号3は胸を張った。後半22分には敵陣に攻め込み、最後はFW戦から自身が持ち込んで今大会初トライ。攻守で存在感を発揮した。
自由な展開ラグビーを特徴とし、高校日本代表候補のSH村田とSO伊藤を軸とした華やかなバックス陣が常に注目を集めてきた。だが、それを下支えするのがFW陣。昨年12月上旬の練習試合では天理に敗れ、特にモールなどで劣勢に立たされた。研究を重ね、大一番では2トライに封じ込めた。
「ラグビーはFWが体を張らないと始まらない。僕たちが体を当てたら、バックスがトライを取ってくれると信じている」と木谷は言う。現在の3年生38人は鉄の結束を誇り、1年生で入部してから一人も退部者がいない。就任26年目を迎える西條裕朗監督にとっても初めてで「下手な子もいるけど、みんなで受け入れて、楽しくやれているのがエネルギーになっている」という。兵庫だけでなく大阪や東京、広島、岐阜などから集まった面々が、互いを信頼して高め合ってきた。
高校3冠、そして兵庫県勢初の優勝に王手をかけ、決勝は東福岡と戦う。春の選抜大会決勝ではコロナの影響で対戦できず“代替”の練習試合では敗れた。あの負けからフィジカル強化の必要性などを痛感したこともあり「みんな、ずっと東福岡をイメージして練習してきた」と木谷。最高の舞台で、最強の相手に挑む。(西海 康平)
【報徳学園メモ】
▽高校3冠 冬の全国大会、春の選抜大会に加え、東京五輪強化を目的に14年から始まった夏の7人制大会の3タイトル制覇を指す。東福岡は14年度と16年度に達成。15年度は東海大大阪仰星が、19年度は桐蔭学園が達成している。
▽兵庫県勢76大会ぶり決勝 報徳学園は同校史上初の決勝進出。兵庫県勢の決勝進出は、1946年度(第26回大会)の神戸二中(現兵庫)以来76大会ぶり3度目。兵庫県勢の優勝はまだない。
▽都道府県別優勝回数 花園の優勝校はこれまで13都道府県から出た。報徳学園が優勝すれば兵庫は14番目となる。優勝回数は大阪が22回でトップ、2位の東京は16回。3位に15回で秋田と京都が並び、5位に福岡が10回で続く。
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