東福岡 “変化”がもたらした奪還 練習時間「攻撃7割」→「守備7割」で10点に抑えたからこその圧勝劇

2023年01月08日 06:00

ラグビー

東福岡 “変化”がもたらした奪還 練習時間「攻撃7割」→「守備7割」で10点に抑えたからこその圧勝劇
<報徳学園・東福岡>報徳学園を破って6大会ぶりの優勝を飾り、歓喜の東福岡フィフティーン(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【全国高校ラグビー大会決勝   東福岡41―10報徳学園 ( 2023年1月7日    花園 )】 Aシード同士による決勝が行われ、東福岡が報徳学園(兵庫)を41―10で下し、6大会ぶり7度目の優勝を飾った。花園で初対決となった一戦は、高校日本代表候補のWTB上嶋友也(3年)が開始35秒に先制トライを挙げるなどハットトリックの活躍。ボール争奪戦で優利に立ち、計6トライを奪う圧勝だった。初めて決勝に進んだ報徳学園は春の全国選抜大会と夏の7人制大会に続く高校3冠を狙ったが兵庫県勢初の優勝を逃した。
 ついに実現した“幻の決勝”で東福岡が1年かけて強化したディフェンスから6大会ぶりの頂点に立った。キックオフ直後。左サイドで蹴り出そうとした相手にフランカー大川主将が身長1メートル86の高さを生かして猛烈なチャージ。ボールを奪って細かく右につなぐと、最後はWTB上嶋が右隅に飛び込んで先制トライを決めた。開始わずか35秒のビッグプレーで流れを引き寄せ「チームの力になろうとプレッシャーをかけた」とうなずいた。

 後半開始直後に2点差とされても動じない。フィジカルで勝るFW陣はボールの争奪戦で報徳学園に圧力をかけ続けた。バックスは好機での決定力を発揮。後半10分にはSO高本の技ありのキックからCTB西がトライ。さらに3トライを加えて、突き放した。

 “変化”の優勝だ。5大会連続で準決勝敗退。藤田雄一郎監督は「ノックアウトのトーナメントを勝つにはディフェンスが重要」と再認識した。前チームまで攻撃7割だった練習時間を「守備7割」にチェンジ。立ち位置を確認し、寝て起きて前に出るという基礎の部分から徹底的に取り組んできた。相手を10点に抑えての勝利はその成果と言えた。

 愚直に取り組めたのは昨春の選抜大会の経験も大きい。対戦したチームから新型コロナの陽性者が出たことから大会実行委員会からの勧告を受け、決勝を辞退。だが、さまざまな関係者が奔走して実現した代替の練習試合を37―10で制した。藤田監督は「いろんな人にサポートしてもらって試合ができていることを特に今年の選手というのは強く感じている。だからディフェンスもできると思うし、苦しいプレーもできる」と語った。

 新チームは09~11年度の3連覇以来となる連覇に挑戦する。鮮やかに復活した常勝軍団はこれからも高校ラグビー界を引っ張っていく存在だ。(杉浦 友樹)

 ▽歴代3位浮上 東福岡が6大会ぶり7度目の優勝。優勝回数で常翔啓光学園(大阪)に並び、歴代3位タイに浮上した。トップは15度の秋田工。

 ▽22年度の東福岡と報徳学園 春の選抜大会は決勝で戦うはずだった東福岡が、対戦したチームから新型コロナウイルスの陽性者が出た影響で辞退し、不戦勝で報徳学園が優勝。代替の練習試合では両校ともに大きくメンバーを入れ替えながら戦い、東福岡が37―10で勝利した。夏の7人制大会は決勝で対戦し、報徳学園が31―17で快勝。定期戦を行うなど40年近い交流がある両校だが、冬の花園では今回が初対戦だった。

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