石川佳純“秘密”の地下特訓 用具サポートの契約メーカー担当者「ここまでこだわらないと…」

2023年05月02日 04:44

卓球

石川佳純“秘密”の地下特訓 用具サポートの契約メーカー担当者「ここまでこだわらないと…」
石川佳純 Photo By スポニチ
 現役引退を発表した卓球女子の五輪メダリスト石川佳純(30)を、2008年から契約してきた卓球の総合メーカー「ニッタク」(東京)の担当者は「努力の人。お疲れさまでした」とねぎらった。
 同社は、石川が14歳の時から用具面でサポート。入社1年目から石川を担当してきた営業企画部の温田哲亮さん(38)は、引退の一報に「まだやれるのにもったいないという気持ちもあります」と率直な思いも語った。

 最も思い出されるのは、2016年のリオ五輪前だという。「本気で金メダルを獲りたいんです」と語っていた石川は、東京都北区にある味の素ナショナルトレーニングセンターで夕方まで練習。その後、千代田区の同社地下にある練習場に移動し、ライバルに見られないように夜遅くまで“秘密の特訓”を続けた。毎日夜9時ごろまで続け、元日も練習。リオで銅メダルとなった直後には、東京五輪に向けたサーブ練習を始めていたという。その努力を目の当たりにし「妥協せず“ここまでこだわらないと世界とは戦えないんだ”と感じました」(温田さん)と振り返った。

 一方で、10代から成長を見てきた中で「突然ファッションに目覚めた時期もありました。“この髪形似合う?”なんて話もして」と女の子らしいほほ笑ましいエピソードも明かした。

 卓球の普及にも尽力した。08年に、石川と共同開発したラケット「佳純ベーシック」を発売。1万円を超えるものも多いラケットの中で、当時の価格は5575円(税込み)。15歳だった石川の「みんなに使ってほしいから高くしないでね」との要望を受けてのものだった。現在は材料の値上がりで、8250円(同)となっているが、同社の変わらぬベストセラー商品。10代のころから卓球の普及や、若い同世代の選手のことを考えていた。

 温田さんは「卓球界は福原(愛さん)、石川が引っ張ってきた。今後も卓球界のために手伝ってくれるとうれしいです」と引退後も卓球への関わりを期待した。

 ▽ニッタク 正式名称は日本卓球株式会社。1920年(大9)創業の老舗卓球用品メーカー。ラケット、ラバー、ボール、卓球台、ユニホームなど、卓球に関わる全てのコンテンツを扱う。国際卓球連盟公認球を国内で唯一生産をしており、世界選手権や五輪でも数多く使用されている。石川以外にも、伊藤美誠、早田ひならとパートナー契約を結んでいる。

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